2026/09/28
防災・危機管理ニュース
熊本地震で震度6強の揺れに襲われた熊本県八代市では、上水道の断水は解消したものの井戸が枯れたり、水が濁ったりする被害が続いている。県は国と連携し井戸の応急復旧に向けた「井戸水対応チーム」を設置したが、被災者からは「いつまで続くのか分からない」などと不安の声が聞かれる。
八代市は球磨川由来の地下水が豊富なため、水を井戸からくみ上げて生活用水に利用する人が多い。市内の水道普及率は52.1%で、残る約半数の世帯にとって井戸水は欠かせないライフラインだ。
県によると、これまでに市内の約4500世帯で井戸の被害が確認され、水が出ないなどの不調を訴える声が約3500件寄せられている。対応チームが現地調査を終えたのは15日時点で1374件にとどまる。洗浄が可能な井戸では泥や砂などを除去したが、改善したのは61件だけだ。
八代市の戌亥良三さん(83)の自宅の井戸は、地震の後に水の出が悪くなった。妻トミ子さん(81)は「井戸を掘り直すにしても水が出るか分からないし、お金もかかる」と肩を落とした。
「砂とヘドロが混じったような水が上がってきた」。八代市の男性(82)宅の井戸水は、細かい砂が混ざって灰色に濁っている。風呂は銭湯、洗濯はコインランドリーで済ませているが、「いつまで続くのか分からないのが気がかりだ」と語る。
県は9月、井戸の復旧を災害救助法の対象に加え、1世帯当たり上限75万7000円を支援すると発表。4世帯以下で共用する井戸を堀り直す場合は、世帯数を乗じた額が上限となる。
井戸掘削業者などでつくる全国さく井(せい)協会によると、井戸を掘り直す場合の費用は最低でも数百万円かかる。熊本県内には北海道や中国地方など全国から応援の業者が入るが、担当者は「間に合っていない」と指摘する。県も業者不足を課題としており、25日には八代市を中心とした地域で井戸を掘削できる業者の募集を始めた。
〔写真説明〕7月の熊本地震後に濁った井戸水=10日、熊本県八代市
(ニュース提供元:時事通信社)

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