被災を乗り越え事業を継続させた企業の実例から学びとることは多い。災害は、見事なまでに、見落とされていた弱点を突いてくる。これまで何度も指摘されながらも、なかなか具体的な対策が進まなかったサプライチェーン対策、予想以上に長引いたライフラインの途絶、さらには津波や原発による複合災害など、災害の規模や影響を予測することの難しさを改めて痛感させられる。本誌では、3月11 日の東日本大震災においてBCP(事業継続計画)がいかに機能したのか、その実際を取材してきた。津波により壊滅的な被害を受けながらもBCP の発動により約1週間後から業務を再開させた宮城県名取市のオイルプラントナトリ、10 mの津波も想定したBCP をつくり事業を止めることなく継続し続けた仙台市の皆成建設をはじめ、大企業から中小企業まで16 社を誌面で紹介してきた。今号では、これらの企業の証言から見えてきたBCPの実効性を高めるポイントを紹介する。

全文を読む 2011年11月号vol.28より