中国という国の実態をつかめないと失敗します(出典:写真AC)

■実態を知ることこそ大事

この度機会をいただき。新たにコラム寄稿させていただくことになりました江頭と申します。

筆者は、中国に移り住み16年もの間、現地にて中小企業の社員として、またその後は総経理(社長)として中国現地のビジネスに携わってきました。この間、多くの日系企業の成功と失敗を目の当たりにし、決して日本のメディアには紹介されない「裏に潜む現実」を肌身で感じてきた日本人生き証人の一人でもあります。

米中貿易戦争ともいわれる経済冷戦真っただ中の今もなお、中国という巨大な国家は市場としても生産拠点としても絶対に無視することのできない存在です。

しかし、日系企業の中国ビジネスは決して順風満帆ではありません。大手企業でも苦戦を強いられているにも関わらず、中小企業が活路を見いだしたいと徒手空拳でこの中国大陸という大海原に乗り込んではきますが、その多くが失意のまま撤退し、「中国ビジネスは難しい」という認識だけがまん延しています。

さらに、日本のメディアをにぎわす中国関連の情報は偏向が強く、本来知るべきことは知らされずに、日本人は色眼鏡を掛けたまま中国という国を見てしまっているのが残念な現実です。

そこで、このコラムにおいては、現実に起きている事象をあまねく紹介し、その背景にある原因を探り出すことをテーマとして進めていきたいと思います。中国において、日々現場で起こる現地でしか知り得ない真実と、その解決のための方程式を皆さまと共有できれば幸甚です。主に中小企業を想定して執筆させていただきますが、もちろん大企業の方にも参考にしていただける内容かと思います。短い連載コラムという形ではありますが、中国という大海原を航海するための水先案内人を務めさせていただきます。