2019/07/22
安心、それが最大の敵だ
小貝川の決壊
鬼怒川とほぼ並行して流れる小貝川は昭和56年(1981)と同61年(1986)に堤防が決壊し流域に大被害をもたらした。56年8月、台風15号が襲来し、小貝川高須橋上流左岸が決壊した。床上浸水1569戸、被害総面積3300ヘクタール、当時の竜ケ崎、藤代、利根、河内、新利根の1市2町2村が浸水被害を受けた。61年8月、台風10号が襲来し、下館での雨量は381ミリに上った。小貝川流域は各地で浸水した。当時の下館と石下で堤防が決壊した。浸水面積4300ヘクタール。浸水家屋4500戸という大被害となった。下館市母子島(はこじま)地区の被害は甚大で、浸水家屋4479戸、床上浸水1473戸に上った。
政府は被災地母子島地区に対する激甚災害対策特別緊急事業(「激特事業」)に乗り出し、総事業費208億円を計上した。9.6キロの河川区間を改修し、母子島5集落の108戸を盛土した1カ所に集中移転し、さらには広大な遊水地(面積160ヘクタール、治水容量500万立方メートル)を造成した。盛土した地域への集団移転と遊水地の造成とを組み合わせた画期的な治水事業だった。
参考文献:国土交通省資料、常総市役所資料、筑波大学附属図書館資料。
(つづく)
- keyword
- 安心、それが最大の敵だ
- 鬼怒川
- 青山士
- 常総市
- 水害
安心、それが最大の敵だの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
組織の垣根を越えるリスクマネジメント活動
住宅建材・設備機器メーカー大手の株式会社LIXILHOUSING TECHNOLOGYは「体系化」「情報」「活動」の3軸をベースにリスクマネジメントを展開。重点活動の一つが、自然災害リスクに対する対応力向上活動です。災害による被害の最小化は住宅建材設備を供給する者の責任と位置付ける同社の取り組みを紹介します。
2023/03/19
-
コカ・コーラにおけるリスクマネジメントERMとリスク対応計画の枠組み
ザ コカ・コーラ カンパニーは、ビジネスにおいて何らかのリスクが発生し悪影響を及ぼす可能性があることを認識し、それらに対処するプロセスを展開しています。日本においても、日本コカ・コーラをはじめ全国のコカ・コーラボトラーズ各社と連携を図っています。包括的企業リスク管理(ERM)プログラムによって、ビジネスに破壊的な影響を及ぼすリスクの軽減戦略を実行すると同時に、ビジネスの機会を積極的に模索しスマートにリスクをとることを可能にしています。取り組みの内容を日本コカ・コーラ株式会社 広報・渉外&サステナビリティ推進部 リスクマネジメント&クライシスレゾリューション シニアマネジャーの清水 義之さんにご発表いただきました。2023年3月14日開催。
2023/03/16
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年3月14日配信アーカイブ】
【3月14日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:いよいよマスク着用ルール緩和
2023/03/14
-
ダイバーシティ&インクルージョンは足元から
日本企業が「ダイバーシティ&インクルージョン」に注目する背景には、少子高齢化のなかで労働力の確保が難しくなっている状況があります。一方、地域社会も同様の課題に直面。コミュニティーを支える人材の不足から、福祉や防災の機能不全が顕在化しています。両者が抱える課題の同時解決に必要なイノベーションを考えます。
2023/03/13
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方