2015/07/10
C+Bousai vol3
地区防災計画モデル地区フォーラム
愛知県美浜町布土(ふっと)学区は、知多半島の南の方にある地区である。東西に道路と鉄道が走り、名古屋鉄道の線路がさえぎっているため、海側から山側に逃げる道はない。避難場所となる布土小学校は標高20mの丘の上にある。布土学区内には、布土と時志の2地区がある。美浜町の人口は約2万5000人で、そのうち布土は約1割を占めている。高齢化率は27%で、全国平均の25%より少し高い。15 歳未満の若年層は12.5%で大体全国平均。昼間の人口は高齢者と子どもばかりという形になる。
布土学区の今までの災害は、江戸時代や明治時代に巨大地震の記録がある。第2次世界大戦の時に2つの地震があったが、当時の報道管制下で情報はほとんど入ってきていない。1953年の台風13号と1959年の伊勢湾台風の被害は大きかった。
南海トラフ巨大地震の美浜町の最大被害想定は、美浜町全体の8500 世帯1万1500 棟のうち約半数を超える6300棟の被害が予想される。想定犠牲者数600人のほぼ半数は建物の倒壊によるものと考えられる。こうした被害による犠牲者の発生を何としてもゼロにしたい。ブロック塀の倒壊や瓦など屋外の落下物による被害はわずかと見込まれているが、実際には至るところにブロック片が転がる状態になることも考えられる。
この防災計画の出発点は、子どもたちが毎日歩く小学校への通学路の点検だった。ここを子どもたちだけの登校班が朝夕通る。そのとき巨大地震が発生したらという想定で防災活動を進めている。数回にわたって区の役員、大学の教員、学生で地区内を隈なく回り、調査した。さらに小学校の先生と小学生を交えて通学路を調査した結果、海から国道までの逃げ道がないことを初めて意識した。参加者は「何かあったらどうやって逃げたらいいんだ」と率直な感想を言っていた。子どもたちが感じた不安や危機感を大人たちが受けとめて、安全・安心なまちにするというのが、布土の防災活動計画の基本である。
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