2019/09/16
危機管理の要諦

●行政:能動的な被害状況の把握と、国・県の支援が課題
自治体による住宅の家屋被害の把握については、今も状況確認が長引いているが、これもあらかじめ想定ができていなかったことが大きい。これまでの地震や水害では、被害を受けた地域がある程度限られていたが、台風被害は広域に及ぶため、一軒一軒を訪問するローリング方式でないと被害状況はなかなか把握できない。自治体は避難所の開設状況や避難者の数をもとに被害状況を把握してきたが、風害や停電に対しては避難所に来ない人も多く、こうした被害をどう把握するのかは、今後も大きな課題になる。住民から上がってきた情報だけで被害状況を把握しようとするのではなく、情報が上がってこない空白地帯について、いかに能動的に情報を集めるのか、さらに、電力や通信が使えないことも想定して準備をしておくことが、これからの危機管理では求められる。
毎日新聞によれば、鋸南町は9月10日の時点で、全ての区長(自治会長)に区内の被害状況を調べて報告するよう要請したが、区長からの報告が出そろっておらず、15日時点でも全容把握ができていないという。本来被害状況を調査すべき職員は被災者対応に追われて人手が足りていない。さらに、市町村をサポートすべき県や国も対応が後手後手になっている。
「国や県から来るはずの派遣職員が来なかった」というような問題については、今回の災害に限った話ではなく近年の災害では毎回のように課題になっているが、市町村に責任を押し付けるような体制を根本的に見直していかなくては、同じ問題は今後も繰り返される。国や県の役割は何かを考え、それぞれが当事者意識を持って災害対応に当たり、必要な支援を先手先手で行えるような体制にしておくことが求められる。
(了)
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