□事例:有名人の宿泊情報を書き込んだ個人特定

女子大生のAさんは、東京都内にあるXホテルの飲食店でアルバイトをしています。Xホテルは都内でも最高級レベルのホテルであり、宿泊客のみならず、飲食店にも著名人といわれる人たちが数多く来店します。

Aさんがアルバイトをしていたある日、その飲食店に有名な男性スポーツ選手と女性芸能人がカップルで来店したことがありました。そこでAさんは自身のツイッターに「男性(実名)と女性(実名)がご来店。」と投稿したのです。さらに「今夜は2人で泊まるらしいよ。 お、これは……(どきどき笑)」などの投稿を行ったことからツイッター上で話題となり、瞬く間に拡散されていきました。同時に投稿を見た人の中から「アルバイトとはいえ、訪れた著名人の情報を暴露するのは問題ではないか?」との批判も起こり、ほどなくネット上では投稿したAさんの本人特定が始まりました。Aさんはツイッターを匿名アカウントで使用していましたが、投稿からおよそ5時間後には、Aさんの本名、顔写真、大学、学部、入学年度、学籍番号、出身高校、アルバイト先の店舗名などが特定され、ネット上に出回ることになりました。

Xホテルにも投稿の内容を指摘する電話が入り、ネットでの騒ぎを知ることとなりました。Aさんに事情を聴いたところ、本人が投稿を認めたため、ホテルとして即座に当該カップルに謝罪を行いました。さらに、ホテルのホームページにも総支配人名義で謝罪文を掲載する事態となったのです。