2019/10/18
日本企業が失敗する新チャイナ・リスク
■自社の優れた製品や技術を売り込みたい日系企業
日系企業が展示会に出展する目的は、主に以下のようなものだと思います。
1.自社の優れた技術や製品が中国でどう受け入れてもらえるか市場調査の一環として
2.自社の技術や製品を必要とする企業とのコンタクトを求めて
3.現地の企業との提携や現地生産などの可能性を求めて
4.販路の拡大を目的として
もちろん、これ以外の目的もあろうかと思いますが、主なところはこのようなところではないでしょうか。
では、具体的にはどのような準備や手はずが必要となるのか考えてみましょう。一般的には主催者側があらかじめ出展者の技術や製品についてのプレゼン資料提出を求めてきます。それに応じて写真や技術資料を提供することで、展示会の出展企業紹介冊子に印刷された形で来場者に配られることになります。
当然、日本語と中国語(日本語がない場合もあり)での記載となりますが、A4一枚程度の容量では詳細な紹介はできませんので、展示会場には機械のサンプルなり、技術や製品を紹介するプレゼンテーションパネルなどを準備することになります。時間と経費の余裕があれば、すべて中国語で制作することは可能ですが、いかんせん日本で制作するとなると翻訳料などもあり高額となりがちです。
無事準備できたとして、それらを搬入し現地ブースに展示、そして日本語―中国語の通訳を雇い(もし、日本本社にて中国人を雇っている場合にはその人物が同行して通訳を行う事が多い)展示会スタッフとして参加させることになります。
日本人スタッフ、通訳、現地宿泊費、食費、そしてもしどこか企業とのコンタクトが取れたとすればその工場訪問をしたり、うち合わせアテンドなどもしたりする事になりますから、これらの経費も含めると3泊4日の展示会出展だとしても、決して少なくない経費を掛けることとなります。中小企業であれば社運をかけた一大イベントとなる企業も多いことでしょう。
実際には、JETROや商工クラブなどの支援もあり、格安で出展費を準備したり、専属の通訳を設けたりする事も多いのですが、技術的な内容が多い展示会でのアテンドは付け焼き刃的準備では中々うまく行かないと言うことを実感する企業が多いのが実情です。
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