2019年の金融・世界経済に関する首脳会合は、それぞれの形態は少しずつ違うが、1月下旬の世界経済フォーラム(ダボス会議)から始まり、6月28日~29日のG20 大阪サミット、そして8月24日から26日の先進7カ国(G7)首脳会議と続いた。その直後の8月28日から30日まで、第7回アフリカ会議横浜大会(TICAD=Tokyo International Conference on African Development)も開催された。それぞれの会議において共通の目標として、“持続可能な開発目標/SDGs=Sustainable Development Goals”があり、2030年を年限とする17の国際目標の達成をすることで、『誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会』の実現を目指している。

1月の世界経済フォーラムでは、その達成に向けて、①気候変動リスク②地政学リスク③格差の拡大を筆頭とする社会リスク④デジタル技術の急速な拡大によるテクノロジーリスク、の各リスクへの対応が急務であることが謳われた。

大阪宣言で注目すべき4つの骨子

その流れをそのまま受けた形で6月28日に開幕したG20大阪サミットでは、特効薬を生めなかったものの方向性の一致を参加国で見て、『大阪宣言』が採択された。米中の貿易摩擦や気候変動問題への取り組みから米国が孤立しないように、貿易・投資についての首脳宣言は“自由、公平、無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易及び投資環境を実現し、我々の市場を開放的に保つよう努力する”というように反保護主義の文言を外した内容になった。とは言え、公正や無差別の文言には米中に対する自制を促す意図が見受けられる。改めて大阪宣言の骨子を見ると、前述した貿易・投資の他に次の4つが挙げられる。

世界経済
貿易摩擦などによる緊張から引き続き世界経済は下振れのリスクが予見されるが、状況を常に注視しながらG20は力強い経済成長をけん引していく決意で一致した。

WTO(世界貿易機関)の改革
危機的な状況に置かれている紛争解決機能について、必要な改革への支持を再確認しWTO加盟国と建設的に取り組むと宣言。

地球環境問題(気候変動)
2050年までに海洋プラスチックごみによる更なる汚染をゼロにまで削減する“大阪ブルー・オーシャン・ビジョン”への賛同をG20以外の国々にも強く求めて行く。

デジタル流通・経済
データの自由な流通(Data Free Flow with Trust)は、プライバシーやデータ保護、知的財産権、セキュリティ保護が前提となるべきであり、その促進のためには国内および国際的な法的なルール作りを目指す“大阪トラック(Track)”の開始を宣言。

この他、教育問題に関しては質の高い初等・中等教育の提供など、社会格差の拡大を防ぎ、特に途上国の女児・女性教育及び訓練への支援も継続することが宣言の中に盛り込まれた。格差の拡大や不平等をSDGs同様に、“誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会”にしなければならない。

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