2019/11/29
防災・危機管理ニュース

NTT東日本は29日、報道機関向けの設備見学会を東京都千代田区のNTT霞ヶ関ビルで開催した。同ビルでの停電時の対応として蓄電池や非常用発電機、さらに非常用電源車を用意し備えている。
同ビルではインターネットや電話の中継・交換といった重要業務が行われている。万が一、系統電力が停電した場合は、3時間通信設備を動かせる容量のある蓄電池から電気を供給する。それでも間に合わない場合、地下と屋上にある非常用発電機を稼働する。地下には一般家庭の約400~500軒分の電力をまかなえる2000kVAのディーゼル式1台、屋上にはガスタービン式の4500kVAの2台を備えている。
蓄電池や発電機でも間に合わない場合は、非常用電源車を稼働させる。NTT霞ヶ関ビルにあるのは2000kVAのガスタービン式。NTT東日本の東京エリアでは約20台の電源車があるが、その中で最大級という。より小型の電源車は2018年の北海道胆振東部地震の際に北海道、今年9月の台風15号で被害のあった千葉県にも派遣された。
NTTグループでは災害時の停電対策も含めて電力事業を2020~25年度にかけて、6000億円を投じるなどして強化。再生可能エネルギー発電の強化の他、約7300カ所ある自社ビルでのリチウムイオン電池設置などを計画している。電源車についてもグループ内で緊密化し、一体した運営も考えられるという。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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