写真を拡大 真贋判定ができるインクを採用した、メキシコ立憲100周年記念紙幣(左:表面、右:裏面)

凸版印刷は9日、通常のインキに少量加えると紙幣の真贋判定ができるオフセット印刷用インキを開発し、2月中旬から本格的な販売を開始すると発表した。色や質に影響を与えることなく印刷ができ、従来一般的だった偽造防止に有効な凹版印刷のセキュリティーインキと比較して5分の1以下の使用量のため、コスト削減が可能になる。

紙幣処理機やATM、紙幣検知器に搭載された赤外線センサーで真贋判定が可能。紙幣流通に求められる高い耐久性も備えている。

本格販売に先立ち、メキシコ銀行が5日に発行したメキシコ立憲100周年記念紙幣の印刷に採用された。同行は検証や加工試験行った上で、2018年以降に順次発行する新シリーズのメキシコペソ紙幣に使用される。

同社は、国内外の中央銀行や紙幣印刷会社へ拡販し、2020年までに5カ国での採用を目指す。

(了)