2017/02/15
防災・危機管理ニュース

津波から高台などへ避難する経路と所要時間が一目でわかる「逃げ地図」、子どもや高齢者、障がい者などあらゆる弱者の立場を理解しながら避難を考える「LODE」、被災や人口減少を見据えた数十年後の街の姿を考える「減災まちづくり情報システム」――。地域住民からビジネスセクターまで多様な主体にリスクを認識させ、災害に強い地域のあり方を考える新しい防災ワークショップ手法を体感できるシンポジウムが3月3日(金)、東京大学情報学環・福武ホール地下2階のラーニングシアターで開催される。
主催は、科学技術振興機構社会技術研究開発センター(RISTEX)で新建新聞社リスク対策.comが協賛。参加費は無料で定員200人。防災に取り組む一般の方から自治体や企業で防災の推進役となっている担当者まで幅広い方々の参加が可能だ。
シンポジウムのテーマは、「コミュニティレジリエンスを高める社会技術~防災・減災を目指す地域の「参画」と「我がこと意識」~」。大規模災害への備えとして、“新しい防災のパラダイム”を確立することが求められている。そのためには災害からの立ち直り過程も含めた「レジリエンスモデル」の導入が不可欠。今回のシンポジウムでは、社会技術の重要な構成要素の1つとなっている合意形成過程でのコミュニケーション技術に焦点を当てて、コミュニティレジリエンスの実効性を高める具体的な方策を示す。公助には限界があることを踏まえ、共助の枠組みの中で、それぞれが立っているコミュニティを災害に強いものに変えて行くために、ワークショップ手法を中心に取り上げている3つのプロジェクトのデモンストレーションを通じて、参加者と共体験した上で、各セクターが取るべきプロセスについて議論する。
開催概要は下記の通り。
【シンポジウム概要】
http://ristex.jst.go.jp/cr/events/pdf/20170303_01.pdf
【申し込み】
https://form.jst.go.jp/enquetes/ristex_anan
コミュニティレジリエンスを高める社会技術
防災・減災を目指す地域の「参画」と「我がこと意識」
【日時】2017年3月3日(金)12:00~17:10予定
(受付・ポスターセッション開始 12:00~、開会挨拶 13:00~)
【会場】東京大学 情報学環・福武ホール(地下2階 ラーニングシアター)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
【参加費】無料(定員200人)
【主催】国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
【協賛】新建新聞社 リスク対策.com
【申込】https://form.jst.go.jp/enquetes/ristex_anan
【プログラム】
12:00 受付開始
(ポスター・セッションもオープン)
13:00 開会挨拶
岩瀬公一(国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター長)
13:05 来賓挨拶
谷 広太氏(文部科学省 研究開発局 地震・防災研究課長)
13:10 本シンポジウムが目指すもの『「認識の共有」と「合意形成」』
林 春男(領域総括/国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)
13:20「ワークショップで磨く防災力」
田村圭子(領域アドバイザー/新潟大学 危機管理本部危機管理室 教授)
13:40 休憩
13:55 3つの事例紹介
司会:平田直(領域アドバイザー/東京大学地震研究所 地震予知研究センター長教授)田村圭子
WS1「逃げ地図ワークショップ」
木下勇(千葉大学大学院園芸学研究科教授)
山本俊哉(一般社団法人子ども安全まちづくりパートナーズ代表理事/明治大学大学院理工学研究科教授)
WS2「LODE(the Little Old Disabled Evacuation)ワークショップ」
倉原宗孝(岩手県立大学 総合政策学部教授)
南部美智代(NPO災害ボランティアネットワーク鈴鹿)
橘 宜孝(みんなが龍馬塾)
WS3 「減災まちづくりワークショップ」
廣井悠(東京大学大学院工学系研究科准教授)
15:55 休憩
16:10ふりかえり
モデレーター:新建新聞社 リスク対策.com主筆 中澤幸介
パネル:3プロジェクトの研究代表および領域アドバイザー
PJ:木下勇、倉原宗孝、廣井悠
AD:天野肇(特定非営利活動法人ITS Japan専務理事)
野口和彦(横浜国立大学リスク共生社会創造センター長・教授)
奈良由美子(放送大学教養学部 教授)
17:00まとめ
林春男
17:10
終了
【問い合わせ】
国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
「コミュニティがつなぐ安全・安心な都市・地域の創造」研究開発領域事務局
E-mail: anzen.anshin@jst.go.jp
Tel: 03-5214-0132(受付時間平日10:00~17:00/土日祝日をのぞく)
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方