【寄稿】日本の感染は拡大するか?
新型コロナウイルス「COVID-19」の感染防止戦略

秋月 雅史
1963年7月生まれ。1989年日本アイ・ビー・エム入社。IT業界で災害対策システム・無停止システムの構築、セキュリティ体制構築などの経験を積み、2011年から「想定外の起こらないBCP」を提唱。その概念を更に推し進めて、2013年からはCOPを活用した「危機管理の自動化」を提唱し、企業向けBCPコンサルティングを行っている。
2020/02/19
WITHコロナのBCP
秋月 雅史
1963年7月生まれ。1989年日本アイ・ビー・エム入社。IT業界で災害対策システム・無停止システムの構築、セキュリティ体制構築などの経験を積み、2011年から「想定外の起こらないBCP」を提唱。その概念を更に推し進めて、2013年からはCOPを活用した「危機管理の自動化」を提唱し、企業向けBCPコンサルティングを行っている。
次々と新型コロナウイルス(以下WHO正式名称である「COVID-19」と記述)の感染例・死亡例が出たので筆者も情報収集に忙殺されています。報道が過熱していて読者のみなさまも不安を覚えていると思いますが、特徴的なパターンが見えてきたので、現時点でのCOVID-19の防御戦略がほぼ立てられるのではないかと考えています。そこで現時点での感染状況を踏まえて、COVID-19の感染防止戦略をお伝えします。
まず現時点でわかっているCOVID-19の感染の特徴を整理します。
特に50歳以上に患者が多いようです。
49歳以下は比較的軽症で済みますが、50歳以上は半数以上が重症化しています。もっともこれは基礎疾患と呼ばれる高齢者特有の持病が影響している可能性が高いです。
この場合の基礎疾患とは、糖尿病・慢性肺疾患・慢性心疾患・免疫不全を表します。
オックスフォード大学出版局に掲載された論文“reproductive number of COVID-19 is higher compared to SARS coronavirus”によれば、R0(Rノート)と呼ばれる感染症の伝染しやすさ(1人の患者から何人に伝染するか?)の指標は3.28であり、WHOの推定値である1.4-2.5を上回っているとしています。
また査読前の論文ではありますが、イタリアとギリシアの研究者が発表した数値では5.5を超えるとしています。
米国CDC幹部も感染しやすさについてはネットニュースで警告を発しており、いずれにしてもインフルエンザ並み(R0=1.4-4)の感染力があるものとして警戒したほうがよさそうです。
これについては論文等が見つからないのですが、たいへんな勢いで感染が広まっていることについて「医者にも罹らない陽性の軽症者・無症状者が多いのではないか」との感染症専門家のコメントがいくつか記事になっています。
湖北省以外の死亡率は0.5%(1,000人の罹患者のうち5人前後)に収束しつつあります。季節性インフルエンザの推定死亡率0.1%に比べると5倍に達していると見ることもできます。
14歳以下にはほとんど罹患者がいないようです。理由はわかっていません。また妊婦を調査した結果、産まれた子供への垂直感染は今までのところ発見されていません。
WITHコロナのBCP の他の記事
おすすめ記事
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/24
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方