リスク対策. comでは、新型コロナウイルス感染症への企業の備えとして、今年1月から毎月1回、計4回にわたる調査を実施してきたが、5回目の調査は「首都圏を中心としたレジリエンス総合プロジェクト(総括:国立研究開発法人 防災科学技術研究所 首都圏レジリエンス研究センター長 平田 直氏)」(以下、首都圏
レジリエンスプロジェクト)と連携し、これまでの調査結果を踏まえ、より総合的な調査内容である「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係わるBCP(事業継続)に関する緊急調査」とした。前号に続き、アンケートの結果を解説する。

本記事は、BCPリーダーズ6月号に掲載した内容を連載で紹介していきます。
https://bcp.official.ec/items/30028915

感染症には備えていなかった

過去に行ったアンケートでも、BCP の策定状況と感染症対策マニュアルの策定状況については既に聞いてきたが、今回の調査でも、BCPの策定状況と、感染症を想定したBCP、さらに感染症対応マニュアルの策定状況を比較した。その結果、感染症以外(地震災害等)を想定したBCP に比べ、感染症を想定したBCP と感染症対応マニュアルの策定状況は総じて低く、どちらも「策定して定期的に見直している」との回答は10%にも満たなかった。また、訓練については、8 割を超える組織が感染症を想定した訓練は「実施したことがない」と回答した(グラフ7・8)。

 
 
 

テレワークについても、昨年度における検討状況を聞いたところ、「検討していなかった」が28.9%で最多となった。一方で、昨年時点で「検討して一部実施していた」との回答も20%あった。これらの組の差がどのような点に表れているかは今後の分析で明らかにしていきたい(グラフ9)。