最大15日先の予測情報などでダムの効率的な事前放流を支援

一般財団法人日本気象協会は6月1日、ダムの効率的な事前放流を支援する「ダムの事前放流判断支援サービス」の提供を開始する。同協会が独自開発した『JWAアンサンブル予測』や、具体的に示される「事前放流すべき時間帯や放流量のデータ」の活用を特徴としたもの。ダム運用管理担当者を対象に、要望に応じてサービス内容をカスタマイズして提供する。

同サービスで活用する『JWA アンサンブル予測』は、世界各国の気象機関が出す数値予測をもとに、独自の補正処理やAI技術を利用した時空間ダウンスケーリングによって得られる1時間雨量・5キロメートルメッシュの高精度な降雨予測データ。最大15日先までの予測情報であるため、雨が降り始めるまで十分な準備期間を確保し、余裕を持って事前放流の計画を立てられる。

「事前放流すべき時間帯や放流量のデータ」は、過去の洪水事例に基づいた流出特性とダムの諸要素(諸元)に基づき、ダム管理者が事前放流の目標水位や放流量を設定。ダムの能力を超える大雨が予測された場合に、「予測雨量」「基準雨量」「目標水位」「事前放流完了時刻」「事前放流量」の各情報について具体的な表示を行う。

そのうち「予測雨量」については、利用者の要望に応じ、アンサンブル平均もしくはアンサンブル上位/中位/下位の3ランクで提供する。複数の予測結果を平均化処理して作成するため、予測更新ごとの変動が小さく、ダムの運用管理に適した情報となる。

そのほか、同サービスでは、予測雨量を「流出モデル」に入力して得られるダム流入量の時系列データをリアルタイムに予測計算することで、より高度な事前放流手法を可能にするオプション機能も提供する。

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リスク対策.com 編集部