2020/04/02
昆正和のBCP研究室
■ドキュメントベースの対策
(1)通勤マップの作成
通勤マップは「誰が」「どこから」「どのような手段で」通勤しているかを視覚的に表したマップである。全社員を調査して書き込む必要はないが、緊急事態が発生したときや、復旧活動にあたる中核メンバーとその代替候補となり得るメンバーを特定するために、ある程度幅広く網羅しておくことがコツである。
プライバシーの心配をする社員がいる場合は、調査主体となる担当者が、マップを作成する目的と用途、管理方法をきちんと明示して理解を得ることが大切である。
(2)スキルリストの作成
次に重要なのはスキルリストの作成である。スキルリストは、防災や災害復旧の手順を立案する際に、例えば「Aさんが出社できない場合、Aさんと同等の知識やスキルを持つ他の人員はいるのか」「いるとすれば誰なのか」を一目で特定できるように作成するものである。
スキルリストを使用する場面は2回ある。まずBCPを策定する際に、前もって代替要員の候補者を決め、これを文書に規定する場合である。もう1回は、実際に会社が被災し、予定していたスタッフが出社できなくなったときに、このリストを見て臨機応変にメンバーを割り当てる場合である。
(3)進捗管理と引継マニュアルの整備
進捗管理と引継マニュアルの整備は、災害対応というよりも、日常の業務管理の延長としての手段といえる。
各社員の業務の進捗状況については、紙による日報のほか、電子メールで上司に報告したり、社内で閲覧できるよう社内LANなどにアップしたりしていると思われる。災害時には停電やサーバー、パソコン等の故障が生じる可能性が高いので、紙に出力するか、外部のサーバーを経由して別の場所からでも閲覧できるようにしておくことで、発災時に中断した業務の状況をある程度把握できる。
また、引継マニュアルは、第三者でも容易に内容がくみ取れるように、できる限りわかりやすく記述しておくことが大切である。
昆正和のBCP研究室の他の記事
- 第28回[最終回]:3つのステップによるメッセージの発信
- 第27回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その2
- 第26回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その1
- 第25回:災害時の帰宅または移動の留意点
- 第24回:安否確認のポイント
おすすめ記事
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
-
-
-
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方