2020/04/02
昆正和のBCP研究室
■能力開発プログラムによる人材確保
(1)クロストレーニング
クロストレーニングとは、本来は複数の運動やエクササイズを組み合わせて行うトレーニングのことだが、ビジネスの世界では1人で複数の業務を処理できる知識やスキルを身につけるための教育や訓練を指す。
製造業などでは、複数工程の作業をこなせるように教育・訓練する仕組みとして「多能工化」という言葉を使用する。クロストレーニングや多能工化は、事業継続のための代替要員を確保する上で大きな拠り所となるだけでなく、日常的にも業務量の増減に合わせて社員を柔軟にシフト(配置)できるというメリットがある。
(2)インセンティブを組み込んだ仕組みづくり
クロストレーニングや多能工化を人事評価制度に組み込んだり、「力量認定者増強キャンペーン」などを実施して事業運営に不可欠な業務に従事できる社員数を相対的に増やしたりして、重要なスキルを持つ人材をプールしておくとよい。
そして一定期間ごとにスキルや技能を持つ人材を把握し、この人材のプールを参照しながら通勤マップとスキルリストを作成することで、より戦力の高い代替要員を特定・確保できるようになるだろう。
人員確保の問題は、指揮命令を行なう対策本部のスタッフにとどまらず、災害復旧対応のために投入される実働・支援部隊をいかに現実的な線で確保するか、スタッフ一人ひとりの顔と力量が見える配備体制をいかに実現するかにかかっている。
緊急時の人員確保の問題はすぐには解決しないかもしれないが、社内の担当者だけでなく、社外の専門家などにも参加してもらい、段階的に協議・解決していく地道な努力が求められる。
昆正和のBCP研究室の他の記事
- 第28回[最終回]:3つのステップによるメッセージの発信
- 第27回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その2
- 第26回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その1
- 第25回:災害時の帰宅または移動の留意点
- 第24回:安否確認のポイント
おすすめ記事
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
-
-
-
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方