2020/05/28
パンデミックと心のレジリエンス
■どのようなことを達成すればレジリエントになれるのか
人はそれぞれ、パーソナリティーや能力が異なります。レジリエンスという力の性質や特徴も、本来は一人ひとり異なるのかもしれません。
けれども、最新の心理学ではレジリエンスを高めるとされる特定の要素がいくつか見出されており、研究者によって2~7つ、あるいはそれ以上に幅があるのが特徴です(カレン・ライビッチ著『レジリエンスの教科書:逆境をはね返す世界最強トレーニング』草思社など参照)。ここでは、そうした要素の中から比較的共通して見られる3つを紹介します。
①感情をコントロールできること
これは、何か大きなつまずきがあった時に、心が逃げ場を失って自暴自棄にならないために必要なものです。怒りや絶望感を衝動的に言葉や態度に表したり、キレてしまったりすると、それだけダメージの影響を長引かせ、回復を遅らせることになります。
②ポジティブな姿勢を持つこと
「ポジティブになろう」。心を病んでいる人にとっては空々しく響く言葉かもしれませんが、その先入観を取り払うことが大切です。否定的な見方や思い込みというのは、けっこうストレートに言葉や姿勢、行動に現われるものです。ポジティブとは相手に働きかけ、共感する姿勢と言ってもよいでしょう。
③自己効力感を持っていること
ポイントの3つ目は「卑屈にならずに自分を肯定的にとらえる」「自分の手で未来は変えられる、思った結果を出せると考える」ことです。心理学では「自己効力感」と呼ばれているもので、ここをいかに伸ばすかがレジリエンス獲得の鍵となります。
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