信州大学全学教育機構 大塚勉教授

感染症と自然災害との複合災害を覚悟しなければならないなか、日本列島は梅雨の季節を迎え、そのうえ地震も頻発している。長野・岐阜の県境では4月22日からこれまでに150回以上の有感地震を観測し、依然として沈静化の気配はない。大地震発生確率が高いとされる糸魚川静岡構造線断層帯の近くだけに不気味な印象だ。群発地震の原因は何か、大地震につながる可能性はあるのか。信州大学全学教育機構の大塚勉教授(地質学)に聞いた。(※本文の内容は5月22日取材時点の情報にもとづいています)

本記事はBCPリーダーズ6月号に掲載しています。BCPリーダーズ6月号の内容は下記をご覧ください。
https://www.risktaisaku.com/category/BCP-LReaders-vol3/

10~20年周期で起こる群発地震

―― 4月22日以降、上高地を中心に、長野県中部から岐阜県側にかけて地震が頻発しています。
上高地付近は群発地震がたびたび起きている場所で、はっきりわかっているのは1969年、90年、98年、そして今回の2020年。だいたい10年~ 20年の周期で起きています。

今回の群発地震を1998年と比較すると、地震が起こる範囲、規模、発生パターンがかなり似ています。大きな地震が起こって、しばらく休止状態があり、また大きな地震が起こる。

巨大な落石。最大は直径5.6メートル、重さ80トンに及ぶものも

規模は、小さなものはマグニチュード(M)1以下もありますが、最大でM5半ば。それが時々起こり、休んで、また起こるということを繰り返しながら、全体的に頻度が下がっていき、そのうち有感地震はゼロになっていく。今回も同様のパターンをたどるだろうと考えています。

―― いつごろ収まるのですか。
98年の群発地震から考えると、完全に収まるには1カ月半~2カ月くらい。6月半ば~後半くらいまでだと思います。ただし、こればかりは正確にはわかりません。

そのため、6月後半まではM5半ばくらいの地震に対して注意が必要です。M5半ばというと、2011年6月に松本で起こった地震とほぼ同じ規模です。

このときは震源が市街地直下だったため、多くの人が震度5強の強い揺れに見舞われました。

今回は震源が離れているため、この時のような揺れが市街地を襲うことはないでしょう。しかし注意しないといけないのは、現地は報道される震度以上に揺れているということです。

多くの人は震度によって地震の大きさを判断しますが、震度2や震度3というのは、震源が山の中なので近くに地震計がなく、離れた場所の観測データが表現されているためです。現地は激しく揺れています。

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