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新型コロナウイルスパンデミックの影響は、個人から多くの国々の経済に至るまで、世界中のあらゆる層に及んでいる。各国で検疫が行われ、社会、そして働き方に大きな影響を与えている。日本でも英国でも、企業がオフィスを空にし、スタッフに在宅勤務を奨励してきた。

新しい技術を取り入れながらの不慣れな働き方への移行は、多くの企業にとって困難な課題となっており、それはほぼ間違いなく、サイバー犯罪者にとってまたとない機会となっている。混乱と新しい技術は、通常に比べよりインターネットに依存する生活を送る一般の人々の恐れや不安と相まって、サイバー犯罪者にとって多くのターゲットに恵まれた環境を生み出している。

「犯罪者たちが、私たちの電子メール、ビデオ会議、その他の技術の使用頻度が増したことを利用し、新型コロナウイルスの流行に乗じて、詐欺や盗みをしようとしていることは卑劣な行為です」と英国のジェイムズ・ブロークンシャー安全保障担当副大臣は述べている( https://www.bbc.co.uk/news/technology-52361618 )。

新型コロナ関連の個人狙いフィッシングが増加

英国のサイバー企業は、個人に対する新型コロナウイルス関連のサイバー攻撃が増加している状況を目の当たりにしてきた(以下の英国王立防衛安全保障研究所(Royal United Services Institute for Defence and Security Studies (RUSI) の記事を参照:https://rusi.org/commentary/coronavirus-pandemic-and-cyber-landscape)。

実際これらの攻撃の多くは新たな脅威ではなく、例えば新型コロナウイルスに関連する補償の案内やPPE(個人用防護具)へのアクセスなど、単に現状において注目を集めるような姿をまとっているだけなのである。それはほとんどの場合、電子メールに埋め込まれた悪意のあるコードを転送するリンクを、受信者が(金銭の提供、または何らかの警告を通じて)クリックするように促す「フィッシング」攻撃である。

標準的なアドバイスとしては、自分が認識していない送信者からのメッセージを信頼しない、パソコンの不法アクセス防止ソフトを最新の状態に保つ、うま過ぎる話には注意する、異なる複数の複雑なパスワードを設定して誰にも渡さない、などである。 英国では、初心者向けにオンライン上で自身を保護するために個人として取るべき基本的な予防措置について、英国のNational Cyber Security Centre(NCSC)の「Cyber Aware」で説明している(Cyber Awareについては後述を参照)。