区分所有者や賃借人との合意形成など、分譲・賃貸マンション耐震化へは課題が多い

東京都は27日、「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に向けた検討委員会」の第4回会合を開催した。災害時に物資輸送で重要な緊急輸送道路沿道の建築物で、耐震性を満たさない建築物について2016年に訪問を行い調査。建物種別では分譲マンションの建て替えの意欲が低いことがわかった。今後、耐震化へ建物用途ごとに検討すべき課題を設定する方針。

緊急輸送道路沿道の建物が耐震化していない状態で地震が起こった場合、道路側に建物が倒れると道路が閉塞し輸送に困難が生じる。6月末時点での対象建築物の耐震化率は83.6%。2016年に訪問し所有者などにヒアリングを行った1063棟のうち、耐震改修などの実施予定について「耐震改修を予定」が21%、「建て替え・除却を予定」18%、「実施しない」53%、「未定・不明」7%。分譲マンションは「実施しない」62%で、「建て替え・除却」が9%とほかの建物種類と比較して建て替え意欲が低い。改修も含め区分所有者の費用負担や合意形成が困難なことが理由として挙げられている。

この日はマンションや店舗など賃貸建築物について主に議論。賃貸については改修へオーナーの負担や賃借人との合意などが障害となっている。出席した委員からは賃借人・テナント対策や、耐震化を行ったことのないオーナーへの支援、成功事例の研究などが要望として挙げられた。

分譲マンションでは600棟以上、賃貸建築物では1000棟以上が耐震化の必要がある。都では所有者に耐震化への意欲を持たせ、課題を1つずつ解決するステップ図を提示。今後、建物用途ごとに検討すべき課題を設定し、解決策を探っていく。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介