2017/10/27
防災・危機管理ニュース

デロイト トーマツは26日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ 企業リスク研究所主任研究員の茂木寿氏が、北朝鮮による電磁パルス(EMP)攻撃の恐れ、米国政権の不安定化、ミャンマーでのロヒンギャ問題について解説した。
高高度で核爆発を起こし、電子機器などを破壊するEMP攻撃が行われた場合、情報システムやインフラが機能しなくなり経済活動がまひする可能性がある。韓国は約5年間にわたり対策を進めているのに対し、日本ではほとんど進んでいない。
茂木氏は「攻撃を行った場合、自国や(友好国の)中国にも被害が及ぶ可能性があり、北朝鮮が実際に行う可能性は低い」としながらも、日本も対策を進める重要性を述べた。対策はシールド材の導入のほか、企業がとる対策として「グローバルなサプライチェーンを構築し、連携を海外に広げるべき」とした。

米国はドナルド・トランプ大統領の下、閣僚の辞任が相次ぐほか主要政策が進まない状態が続いている。法人税を35%から20%に引き下げる方針だが、茂木氏は企業がこの引き下げを計画で見込んでいた場合、この政策実行のための法案成立が遅延したら影響が大きいことを懸念した。また外国人受け入れを厳格化しており、人材確保が困難になる可能性も述べた。
ロヒンギャ問題では今後、国連安全保障理事会でミャンマーが制裁を受ける可能性がある。「部品をミャンマーで輸入・加工し輸出する製造業にとって制裁は怖い」と茂木氏は解説。また西側諸国が制裁を行った隙に中国のミャンマーへの影響力が増す可能性にも触れた。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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