気候変動に対処するERPを考える(写真:写真AC)

■ERP(緊急対応プラン)とは何か?

BCPの各フェーズの中で、災害発生直後から開始する一連の緊急行動を「緊急対応プラン(Emergency Response Plan:ERP、初動対応計画ともいう)」と呼ぶことは、以前の連載(昆正和の『これなら作れる! 緊急行動の成否を分けるERP策定講座』)で述べたとおりです。

ERPはいわゆる「防災マニュアル」とほぼ同じものと見て差し支えありません。ERPが従来の防災マニュアルと異なる点があるとすれば、ERPはBCPとの相違点や連係性が明確に定義(※)されていますが、防災マニュアルはBCPとの違いなどは意識せずに単独で策定することが多く、書き方にも多様性が見られることです。
※ ERPは安全の確保と生命・財産を守ることにフォーカスしたものであり、BCPは事業を通常の業務体制に戻して継続することにフォーカスしたプラン。ERPの対応の結果、被害状況がディザスターに相当すると判断した時にBCPが発動される。

ERPは、用途に応じて2つのタイプに分けられます。一つは最も基本的かつ災害の種類を問わないベーシックなタイプ、つまりその必要があればどんな災害でも適用されるものです。

ERPは安全と生命・財産を守ることにフォーカス(写真:写真AC)

欧米のERPではベーシックなプランとして避難計画(Evacuation Plan)と立ち入り封鎖計画(Lock down)などを見かけます。筆者は日本の実情を踏まえて「避難計画」や「帰宅困難者対応」などをベーシックプランとして提示しています。