国道8号や中央環状線の立ち往生もあり、大雪時の道路対策を検討する

国土交通省は大雪時の道路の交通確保や安全への取り組みを強化する。26日、「冬期道路交通確保対策検討委員会」の第1回会合を開催。今冬の北陸の国道8号や首都高速道路で起こった車の立ち往生を振り返り、大雪の備えや発生した際の対応などを話し合った。4月に提言の中間とりまとめを行う方針。

4~7日の大雪で国道8号の滞留車両は6日の午後10時で約1400台が滞留。排出が完了したのは9日の午前1時だった。首都高速では1月22日に総延長320kmのうち約7割にあたる約230kmが通行止めで、全面通行再開に4日間を要した。また、中央環状線外回り山手トンネルでは西新宿ジャンクションでトレーラーが走行不能となり、約10時間車が立ち往生した。

今後の検討に向け、(1)大雪時の交通確保(2)大雪に対する事前の備え(3)大雪とそれに伴う事象の発生時の対応(4)関係機関の役割や連携―の4つの視点が必要とした。大雪時の交通の確保については高齢化が進む一方で車が増えている今、道路管理者だけでなく事業者やドライバー・荷主、広く国民に不要不急の外出や業務を控えるといった意識啓発などを図る。事前の備えではリスク箇所の把握や予防的通行止めのほか、高速道路と国道の連携も検討する。

大雪やそれに伴う事象の発生時は除雪体制の増強のほか、万が一車の立ち往生が起こった際の利用者への情報提供や支援物資提供、ICT活用などを検討する。関係機関の連携については道路管理者や地元自治体など関係機関の情報共有や連携素強化する。

出席した委員からは「道路管理者のみではこのような大雪には対応できない。トラックなど業界にも運行のあり方を考えてほしい」「悪天候が予測される場合は早めに車の流入を規制すれば、結果として道路を止める時間は短くなる。予防的通行止めも大事だ」といった意見も出された。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介