ニーズは「効率」「省エネ」から「利用価値の向上」へ
ジョンソンコントロールズ 吉田浩社長に聞く

ジョンソンコントロールズ
吉田浩社長

長期化するコロナ禍は生活を取り巻くさまざまな環境を変えている。日常的に利用するビル環境は最たる例。感染対策のニーズが高まるなかで、利用者の安全や健康といったウェルネスの向上に加え、よりレジリエンスの高いビルづくりが求められている。空調を主軸にビルの自動制御設備の施工や保守点検を手がけるグローバル企業のジョンソンコントロールズは、この6月で日本法人設立から50年の節目を迎えるにあたり、ウイズコロナをみすえたビルソリューションを積極的に展開していく方針。同社の吉田浩社長に、ビルに求められるニーズの変化と今後の事業方針を聞いた。

同社は6月17日、設立50周年記念のセミナーを開催した。タイトルは「最新のスマートビルの在り方と実現のカギを業界リーダーと語る」。アーカイブ視聴は同社ウェブサイトを参照。


――コロナによってビルに求められるニーズも大きく変わった。これからの事業をどう展開していくか。
当社はグローバル企業としてさまざまなビルシステムを手がけている。日本では空調システムが中心だが、空調とは、すなわち空気のマネジメントだ。感染対策を筆頭に新たなニーズが顕在化していることはもちろん、潜在ニーズも数多くあると考えている。

当社では、今後高まるであろうニーズを大きく「ウェルネス」「サスティナビリティ」「デジタル化」の3つに分類。これに応える事業の一つとして、昨年から「クリーンエアソリューション」を提供開始している。既存の空調設備を活用しながら、フィルターのアップグレードや深紫外線照射灯による除菌を行い、加湿を組み合わせることで、循環空気の質を高めて感染抑止を図る。

ポイントは大規模改修を必要としないことだ。なぜなら日本も海外も、新型コロナウイルスの影響でビルオーナーが設備投資をしにくい市場環境にある。いかに投資を抑えて感染リスクを減らすかに重点を置いている。

空調設備の設定から取り入れる外気量を最適化することでも、空気の質は高められる。つまり、空調制御自体が感染対策になる。こうしたソリューションにはまだ大きなニーズがあるため、オーナーに積極的にアドバイスしていきたい。