2021/06/25
インタビュー
ニーズは「効率」「省エネ」から「利用価値の向上」へ
ジョンソンコントロールズ 吉田浩社長に聞く
長期化するコロナ禍は生活を取り巻くさまざまな環境を変えている。日常的に利用するビル環境は最たる例。感染対策のニーズが高まるなかで、利用者の安全や健康といったウェルネスの向上に加え、よりレジリエンスの高いビルづくりが求められている。空調を主軸にビルの自動制御設備の施工や保守点検を手がけるグローバル企業のジョンソンコントロールズは、この6月で日本法人設立から50年の節目を迎えるにあたり、ウイズコロナをみすえたビルソリューションを積極的に展開していく方針。同社の吉田浩社長に、ビルに求められるニーズの変化と今後の事業方針を聞いた。
――コロナによってビルに求められるニーズも大きく変わった。これからの事業をどう展開していくか。
当社はグローバル企業としてさまざまなビルシステムを手がけている。日本では空調システムが中心だが、空調とは、すなわち空気のマネジメントだ。感染対策を筆頭に新たなニーズが顕在化していることはもちろん、潜在ニーズも数多くあると考えている。
当社では、今後高まるであろうニーズを大きく「ウェルネス」「サスティナビリティ」「デジタル化」の3つに分類。これに応える事業の一つとして、昨年から「クリーンエアソリューション」を提供開始している。既存の空調設備を活用しながら、フィルターのアップグレードや深紫外線照射灯による除菌を行い、加湿を組み合わせることで、循環空気の質を高めて感染抑止を図る。
ポイントは大規模改修を必要としないことだ。なぜなら日本も海外も、新型コロナウイルスの影響でビルオーナーが設備投資をしにくい市場環境にある。いかに投資を抑えて感染リスクを減らすかに重点を置いている。
空調設備の設定から取り入れる外気量を最適化することでも、空気の質は高められる。つまり、空調制御自体が感染対策になる。こうしたソリューションにはまだ大きなニーズがあるため、オーナーに積極的にアドバイスしていきたい。
インタビューの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方