(写真:AC)

2021年5月末、100万人以上のフォロワーを持つ大坂なおみ選手のTwitterから、自身のメンタルヘルス問題について情報が発信されると、世界中に議論が巻き起こりました。彼女は、アスリートのメンタルヘルスを無視した記者会見で、心ない質問を許してはいけないと問題提起することに成功したのです。

メンタルヘルスの問題は、ストレスの多い現代社会にとってはとても重要な課題であるにも関わらず、問題の性質上、きちんと向き合えていない組織が多いように感じます。メンタルヘルスの問題は企業にとって非常に大きなリスクになっています。

2015年、大手広告代理店に勤務していた女性社員が過労による自殺した事件は、未だ記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。昨年2020年7月には三浦春馬さん(享年30歳)、9月に竹内結子さん(享年40歳)など、有名な芸能人の自殺が相次ぎ日本中に衝撃が走りました。また最近では、新型コロナウイルスの流行によりメンタルヘルスに問題を抱えている人が増加し、国内の自殺者の数は増加傾向にあります。

そんな中、厚生労働省の第13次労働災害防止計画(計画期間:2018~2022年度)では、「ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上にする」ことが目標として掲げられています。今、社会全体としてメンタルヘルスのリスクを重く受け止めた、取り組みが求められているのです。