2018/04/12
防災・危機管理ニュース
国土交通省は3月27日、災害時の人工衛星画像活用促進のため、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で「災害時の人工衛星活用ガイドブック」を作成した。航空写真では把握しきれない部分も写す衛星写真の特徴をつかみ、災害時の被害把握や衝動対応の迅速化を図る。
ガイドブックは水害版と土砂災害版に分かれ、水害版はさらに「衛星基礎編」と浸水解析などを詳しく記した「浸水編」に分かれる。水害版の基礎編では、自然の放射光や反射光で観測する光学センサとマイクロ波で観測するレーダセンサ(SAR)の違いを説明。光学センサは夜間や雲が多いと撮影できないが、一般の写真と同じように見られる。一方、SARは昼夜や天候に左右されずに撮影可能だが、画像を見て内容を理解するのには専門知識が必要。その解釈手法も説明している。
衛星は斜め下を映し、移動も続けることから、観測に向いた時間は12時間に1回程度であることも紹介している。水害版や土砂災害版いずれも過去の例もふまえた画像の判読事例を紹介。土砂災害編では初動期の留意事項も掲載。悪天候や夜間でも情報収集可能なSAR衛星の観測データを活用し、航空機やヘリコプターの調査範囲を絞ることなどを記した。
■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000944.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方