メリット・デメリットを比較

結局、対象とする事業所については、政府が発表している全国の地震動予測地図を参考に、今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する可能性が50%以上の地域にある事業所を中心に選定した。さらに自社の所有するトラックのウエイトが少なくなってきていることから外注協力会社の分も含めて燃料を確保することにした。

自社のインタンクで備蓄するか、燃料会社のタンクを借りて備蓄をするかについては、それぞれの長所短所を比較検討した結果、燃料会社に委託することにした。インタンクなら融通がきくし、安心感・安定感も高まるが、タンクを作るとなると、費用だけではなく時間がかかる上に空きスペースを確保しなくてはならない。

一方、燃料会社に委託する場合は、契約通りに災害時に履行できるかという不安は残るが、この点は貯蔵契約・配送契約で非常時を意識した内容を盛り込んだ。また実務面においても、連絡体制・訓練などを通して、自社で新たにタンクを作り備蓄するよりも、燃料会社に委託した方が備蓄の数量に応じてコストが設定できることや設備投資・維持管理が不要になることなどのメリットを重視した。

燃料の運搬については、トラックにドラム缶を積んで取りにいくのか、タンクローリーを使うのかを検討した結果、積み下ろしの手間が少なく一度に大量に運べるタンクローリーにすることを決定した。

最終的には、対象地域の営業所が配送で消費する通常時の軽油数量に対して、災害時における営業所の操業度を50%と設定し、3日分の必要燃料を算出。ここから、インタンクの備蓄数量を差し引いて、災害時に新たに調達が必要となる軽油数量を計算し、それを燃料会社に平時から備蓄しておいてもらうことにした。

「7日分、10日分を備蓄するケースもシミュレーションしてみましたが、膨大な量になることから、コストとの関係も考慮し、まずは3日分から行うことにしました」と沖山氏は説明する。対象車両は、同社グループの自家所有トラックおよび、運送を委託している外注協力会社のトラックも加え、備蓄数量は大型トラック約1800台分になる。