燃料会社との契約
一方の燃料会社は、主幹事会社が中心となり協力提携先の燃料業者と連携して対応にあたる。主幹事会社は関東地区の3県(埼玉県、千葉県、神奈川県)、中部地区(愛知県)、関西地区(大阪府)に専用の貯蔵タンクを確保し、必要燃料を常時備蓄する。災害時には、日立物流からの要請に応じて、必要量を即座に調達できるようにする。燃料会社の貯蔵タンク(営業拠点)がないエリアにおいては、地元の燃料会社との間で災害時燃料の貯蔵配送の相互協力・体制を構築し、こうした各地の燃料会社の貯蔵タンクなどを拠点として活用する。

東日本大震災では、タンクローリーの需要が高まり車両を手配できなかった業者が多かったことから、同社では、あらかじめタンクローリーとドライバーを専属で確保。車両は車番を特定し、各県に対し災害時緊急通行車両の事前届け出も行っているという。

このスキームを実現するための契約については、燃料会社の与信リスクを回避するため、同社の窓口である「燃料商社」との間で業務委託契約を締結し、商社と主幹事となる燃料会社が別途、業務委託契約を締結する方式をとっている。

今回のBCPは、3日間という限られた期間における燃料調達を実現するものだが、同社では、災害発生直後から動けるようにすることで、病院向けの医療用医薬品の配送やスーパーマーケット向けの食料品などの配送、社会インフラを担う日立グループへの配送など、大規模災害時に優先させる社会機能維持や人命に関わる緊急・配送用を見込んでいるとする。

毎月300万円のコスト 
これらの対策にかかるコストとしては、燃料の備蓄・維持、専属配送車両やドライバーの事前確保などで月額約300万円、さらに災害時には軽油代金(供給量に応じて課金)や配送費(主にドライバーの人件費)が掛かるとする。  

沖山氏は「平時に生じるランニングコストについては、大規模災害が発生して初めてその効力が発揮されるという点から、事業継続・社会機能維持のための必要経費であり、大規模災害に備えた保険料という性格も持っていると考えています」と話す。  

また、災害時にかかる軽油代金については、毎月頭に燃料商社から当月の軽油代金の見積書が提示され、災害時に燃料が急騰したとしても、その月内で備蓄燃料の供給を受けた場合は、見積書記載の軽油単価が適用される仕組みだ。