ガスを貯えるガスホルダー(写真:写真AC)

10月7日夜に首都圏で起きた最大震度5強の地震で、東京ガスは非常体制を敷き災害対策組織を立ち上げた。主に、マイコンメーターによって自動遮断されたガスの復帰対応で終結した。揺れの検知と被害推定によって迅速にガスを止めるシステムのほか、ガス管の耐震化、液状化発生時の対応など、同社は東日本大震災以降、さまざまな地震対策を強化している。

ライフラインの強化(2) 東京ガス

東京ガスは1835年に渋沢栄一が創業し、1都6県、約1200万件にガスを供給する日本最大の都市ガス事業社。都市ガスの国内販売シェアは約35%で、売上高は約1.8兆円。電気小売事業の自由化にともない電力小売事業にも力を注ぐ。現在では271.7万件に電力を供給し、新規参入組でのシェアはNo.1。2020 年、BCPに風水害編が加わった。

マイコンメーターの復帰対応が主

10月7日夜、千葉県北西部を震源とする地震が発生すると、東京ガスでは非常体制が敷かれ、導管ネットワークカンパニー長をトップとする災害対策組織が立ち上がった。

同社防災供給部防災グループ防災チームリーダーで課長の土師(はぜ)正聖氏は「今回の地震ではガス設備への被害はありませんでした。主に、震度5程度の揺れを検知するとガスを遮断するマイコンメーターの復帰対応で終わりました」と振り返る。

マイコンメーターは各家庭にガスを引き込むガス管に設置され、使用量を計測するとともに、地震の揺れや異常なガスの流れを検知するとガスを遮断する安全機能を有している。一度ガスを遮断すると、ガスの使用を再開するには、すべてのガス機器を止めたうえで復帰ボタンを押す。するとマイコンメーターが約3分でガス漏れをチェック、異常がなければ利用を再開できる。

地震後にガスが止まると、この復帰方法に関する問い合わせが同社に殺到する。今回は約2万件の電話があったという。

東京ガス防災供給部防災グループ防災チームリーダーで課長の土師正聖氏。ガス導管系統図を前に

同社の地震防災システム「SUPREME(シュープリーム)」は、地震が発生すると、揺れの特徴からガスが遮断されるマイコンメーターの数を推定し、そこから問い合わせ件数を予測する。10月7日もこの予測をもとにコールセンターの電話受付要員を拡充。現場出動要員も強化し、マイコンメーターの復帰操作に不安がある場合は作業員が出向いて復帰にあたった。