不透明な台湾情勢と日中関係
日本企業に求められる平時からの対策
和田 大樹
国際政治学者 株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学法学部講師。専門分野は国際安全保障、国際テロリズム、経済安全保障など。大学研究者として安全保障的な視点からの研究・教育に従事する一方、実務家として海外に進出する企業向けに地政学・経済安全保障リスクのコンサルティング業務に従事。
2025/08/04
地政学リスクを読み解く
和田 大樹
国際政治学者 株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学法学部講師。専門分野は国際安全保障、国際テロリズム、経済安全保障など。大学研究者として安全保障的な視点からの研究・教育に従事する一方、実務家として海外に進出する企業向けに地政学・経済安全保障リスクのコンサルティング業務に従事。
台湾海峡を巡る情勢は近年、緊迫感を増している。中国の軍事的圧力が高まり、米中対立が深まる中、台湾有事が現実的なリスクとして浮上している。日本は地理的に台湾に近く、米国の同盟国として有事に関与する可能性が高いため、日中関係のさらなる悪化は避けられないかもしれない。このような状況下、日本企業は地政学的リスクに備える必要があり、特に平時から駐在員の数を最小限に抑えることが危機時の損失軽減と事業継続性の確保において重要な戦略となる。
台湾情勢は中国にとって「核心的利益」とされ、近年では中国人民解放軍による軍事演習や領空・領海侵犯が頻発している。2022年のペロシ米下院議長の台湾訪問以降、中国の軍事活動は一層活発化し、台湾周辺での大規模演習が繰り返されてきた。日本は尖閣諸島を巡る領土問題や歴史問題で中国と緊張関係にあるため、台湾有事が発生すれば、経済制裁や外交関係の悪化を通じて日中関係が急速に悪化するリスクがある。こうした状況では、中国や台湾で事業を展開する日本企業にとって、危機時のリスク管理が極めて重要となる。特に、中国に駐在する日本人社員は、移動制限や資産凍結、さらには身の安全が脅かされる可能性に直面する可能性がある。平時から駐在員の数を減らすことは、これらのリスクを軽減し、危機対応を迅速化する鍵となる。
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