2022/02/14
オピニオン

2月11日午後11時50分ごろ、新潟県村上市長政の三幸製菓荒川工場で発生した火災は、アルバイト従業員の女性4人と、男性従業員と見られる2人の計6人が死亡する大惨事となった。村上市は、北京オリンピック冬季競技大会スノーボード男子ハーフパイプで金メダリストに輝いた平野歩夢選手の出身地でもある。喚起に沸く市内は一転して悲嘆のムードに包まれた。なぜこれほどの死者が出たのか、今回の火災からは、多くの企業が見落としがちな防火・防災対策の課題が浮かび上がる。
アルバイトまで含めた防火・防災対策が急務
1点目は、亡くなった6人のうち、4人が高齢のアルバイト従業員ということ。これまでの報道によれば4人はいずれも清掃業務のアルバイトで60歳後半から70代前半だという。出火したのは複数ある棟のうち最も南側にある棟で、出火当時は生産ラインが休憩に入り、清掃を行うタイミングだったという。こうしたアルバイトに対してまで火災発生時の避難など防火・防災教育を行っていたのか?
このことは、同社に限らず多くの企業が防火・防災対策で見直すべき点だ。多くの企業では今、コロナ禍ということもあり出社人数が減っている。こうした状況下でもし火災が起きたたら出社人数が少ない中で、一部の管理業務にかかわるようなスタッフだけで対応に当たらなくてはいけなくなる。その人たちが命を守れるような対策や訓練などを企業はどこまで行っているだろうか。
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