日本社会は銃による事件と無縁ではない(写真:写真AC)

唐津は海を身近に感じられる場所です。そして山も身近です。自然豊かな唐津はのんびりとした地方都市、だからといって事件や事故がないというわけではありません。1月、私の事務所近くで猟銃自殺と思われる事件がありました。その約2週間後には埼玉で猟銃を使った立てこもり・殺人事件が起きました。銃について思うことを綴ります(「海のセキュリティ対策」の続編は後日)。

銃によるふたつの事件

(1)1月14日の地元ニュース

午前1時ごろ、佐賀県唐津市鏡の「鏡山駐車場」で頭から血を流して倒れている男性の遺体が見つかった。唐津署によると、男性は20~30代で、身長は170センチ、中肉。カーキー色のジャンパーで紺色のズボン、黒色の安全靴を身につけていた。駐車場には他県ナンバーの車両が停まっており、遺体のそばには猟銃1丁が放置されていたという。同署は死因などを調べている(1月14日7時8分配信 佐賀新聞)。

台形の形をしている鏡山は標高283.56メートル、万葉集にも詠まれたことがある唐津市のシンボルです。山頂には休憩所やカフェがあり、展望台からは唐津城、唐津湾、虹の松原、天気が良ければ長崎県の壱岐まで望めます。

二丈浜玉道路から見た鏡山(出典wikipedia)

私の事務所が鏡山のふもとにあるのと、趣味のひとつがクレー射撃なので、このニュースは他人ごととは思えず「唐津の観光スポットである鏡山で自殺?」「猟銃で?」「他県からやってきた人が?」と、とにかく驚きました。

(2)埼玉県ふじみ野市の事件

その約2週間後、1月27日夜、埼玉県ふじみ野市で猟銃を乱射し、3人を人質にした立てこもり事件が起きました。翌朝、埼玉県警の捜査員によって容疑者は逮捕されましたが、人質の医師は散弾銃で撃たれており心肺停止の状態、まもなく死亡が確認されました。

容疑者は母親の死をめぐって医師との間にトラブルがあり、医師たちを道連れに自殺しようと考えていたと報じられました。銃による殺人ということもあり、事件は連日大きく取り上げられました。