テロリストや犯罪者の視点に立って身のまわりを見渡してみると(写真:写真AC)

唐津へ移住し1年が過ぎました。思い立ったが吉日!と、細かいことは気にせずにやってきた唐津ですが「人良し・食良し・レジャー良し」と、移住は大正解でした。

さて、ここで皆様に質問です。佐賀県には何があるでしょうか? 呼子のイカ、温泉、嬉野茶、吉野ケ里遺跡、等々、楽しい旅の思い出になりそうなものはちょっと横へ置いて、違う視点で考えてみてください。

佐賀県内には、空港、鉄道、新幹線、港、山、海(長い海岸線)、空き家、原子力発電所があり、来場者80万人を超えるアジア最大級の佐賀バルーンフェスタ、50万人以上が集まる唐津くんちなどのイベントも開催されます。

佐賀バルーンフェスタ(出典:Wikimedia Commons)
唐津くんち(出典:Wikimedia Commons)

2024年には佐賀県で「国民体育大会」改め「国民スポーツ大会」が開かれることが決まっています。さらに、G7サミット開催地として候補に挙がり、多くの大規模イベントを実施している福岡の隣県、また朝鮮半島や中国大陸に近いという地理的特性があります。

と、ここまでお伝えすれば「リスク対策.com」読者の皆様はピンッときたのではないでしょうか?

そう、テロリストの視点で見ると、ターゲットとなる場所やイベントがたくさんある、それが佐賀県なのです。

セキュリティアンテナと当事者意識

楽しい唐津の生活にも慣れてきた頃、セキュリティの面だけ気になり始めました。テロって365日360度方向すべてに注意を向けていなければ防げませんよね。

原発や空港には警備員も警察官もいるし、海には海保がいるから…と、セキュリティに関係している人たちだけが対策をすればよいってことではないのです。そこにいる、その場所に住む私たちもセキュリティの当事者です。巻き込まれることがあるかもしれない、自分や大切な人の命に危険が及ぶかもしれない、そのとき、警察がすぐに来てくれるとは限りません。

誰もがセキュリティの当事者(写真:写真AC)

パニック状態の中で何をすべきか、何をしてはいけないのか、基本的なことを知っているだけで助かるかもしれない、不審だなと思うモノや、怪しい雰囲気のところには近寄らない、ちょっとした違和感に敏感になるためセキュリティアンテナを高く掲げておく、これは誰にとっても重要なのです。

「テロ?佐賀で起こらんよ」と考えている佐賀県の方々、テロ発生の可能性、巻き込まれる可能性は、地方でも都会でも、どこにいてもあるのです。厳しいセキュリティ対策の大都市へ直接入らず、テロ対策に不慣れな地方都市から首都圏を目指す場合もあるのです。佐賀県がテロリストのターゲットにならないことはもちろんですが、大都市を目指すテロリストの中継地にもならないようにしなければなりません。