画像はイメージ(写真AC)

自然災害の内容を連載していましたが、第7波の保育園におけるコロナ対策でご苦労されている状況を拝見し、急遽保育園の新型コロナ対策についてお知らせしたいと思います。

私は現在(8月・9月)、学生の実習が行われている認可保育園を巡回指導で訪問しています。どの保育園も普段から感染症対策にはとても気を使っていて、手洗いや消毒は新型コロナが発生する前から、当たり前のように行っていました。しかしながら、新型コロナは今までの感染症よりしぶとく、ご苦労されている先生方のお姿を拝見していると、心から力になりたいと思う毎日です。

そこで感染対策に特化したコンサルティングを行っている株式会社モレーンコーポレーションの草場恒樹先生に都内の区立保育園の様子を見ていただき、ご指導いただきました。草場先生は普段、医療現場の最前線に立つ医療従事者への感染対策の指導をされていますが、保育園の視察は初めてとのことでした。

保育園での新型コロナウイルス対策の留意点

保育園で新型コロナウイルスの対策をする際の留意点は以下の通りです。

〇免疫力の弱い子どもが集団生活する場所

〇子どもたち同士、保育士と子どもたちが近距離で濃厚に接触する場所

〇子どもたちが感染対策を徹底することは困難

〇子どもたちの多くがワクチン接種をしていない

〇保育園は新型コロナに限らず、インフルエンザ、ノロウイルス、RSウイルスなど、集団感染が非常に起きやすい場所である。

完璧な感染対策は上記の理由からも無理なので、できることをどこまでするかが重要。

園児の感染対策のポイント

〇マスクを正しく使うのは基本不可能。マスクをしていても鼻を出したり、マスクをしょっちゅう触ることになり、却って感染リスクが増えることも。

〇手をきれいにする
・多くの人が触れるものに触ったら手を洗う。
・アルコール手指衛生剤で消毒する。
・鼻をかんだら手を洗う。

保育士の先生方、スタッフができること

〇標準予防策を理解する
・感染症のあるなしに関わらず、血液、体液、排泄物、分泌物、正常でない皮膚、粘膜は感染性があると考えること

〇保育園にウイルスを持ち込まない
・第7波のように流行期には同居家族以外との会食は極力控える
・強制はできないが、ワクチンは極力接種する
・日常でも他人と会話する際は必ず不織布マスクを正しくする
・園内では自身が感染していると考えて行動する
・不織布のマスクを常に正しくする(鼻が外に出ないなど)
・標準予防策を理解し、それらに触れた時は必ず手指衛生を行う(手洗い、アルコール消毒)

〇環境衛生(表面消毒、換気)
・スタッフ、子どもたちがよく触れるものをアルコールワイプで定期的に消毒する。床や空間除菌は不要
・定期的に窓を開け、換気する。窓が開かない場合は、HEPAフィルター付きの空気清浄機(必要な部屋の広さに対応するモノ)で補助換気する

「ウイルスを持ち込まない」「換気」「消毒」に重点を置いて、家庭と保育園が協力してできることをやっていくのが重要だというのが、保育園を視察した草場先生の見解です。