2023/03/17
防災・危機管理ニュース
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/670m/img_35a9b5a28640d9b7cf3f113c724b4084608927.jpg)
パソコンやサーバ内のデータを暗号化し、復元するための身代金を要求する「ランサムウェア」攻撃の被害を受けた企業のうち、調査や復旧にかかった費用が1000万円を超える企業が46%と半数近くに上ることが、警察庁の調査で明らかになった。
警察庁の発表によると、ランサムウェアの被害を受けたと昨年警察に申告があったのは230件で、令和2年下半期以降、右肩上がりで増えている。令和4年は、前期が114件、下期が116件で、計84件増加した。下期の内訳は、大企業が27%、中小企業が53%、団体などは20%となっている。
これらの企業に対して警察庁が復旧に要した期間について質問したところ、131件の有効な回答があり、被害額は、100万円未満が24%、100万円以上500万円未満が16%、500万円以上1000万円未満が14%、1000万円以上5000万円未満が33%、5000万円以上が13%で、1000万円以上は全体の46%に上った。上半期調査では、1000万円以上は55%だったことから、数値は若干下がった形だが、被害額はここ数年大きく変化していない。
また復旧にかかる期間については、1カ月以上2カ月未満が16%、2カ月以上が11%で、3割近くが1カ月以上を要していた。
被害に遭ったシステム又は機器のバックアップの取得状況についての質問では、139件の有効な回答があり、このうち、取得していたものが116件で83%を占めた。また、取得していたバックアップから復元を試みた111件の回答のうち、バックアップから被害直前の水準まで復旧出来なかったものは90件と81%に上った。
ランサムウェアの感染経路は、102件の有効な回答のうち、VPN機器からの侵入が63件で62%、リモートデスクトップからの侵入が19件で19%を占めた。
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/8/c/670m/img_8c76bba9fa35dc0e88bcd837a44541ff3933650.jpg)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方