情報管理の全体像を整理

政府中央防災会議の「地方都市等における地震防災のあり方に関する専門調査会」(第5回)は、災害時における情報発信・広報のあり方について課題と今後の方向性を整理した。

同専門調査会は、新潟県中越地震や中越沖地震、岩手・宮城内陸地震など、近年、地方都市を中心とした比較的大きな地震が発生していることを受け、昨年1月に設置された。全国どこでも発生する可能性がある直下型地震に備え、地方都市として充実・強化すべき対策や支援方策をとりまとめていくことにしている。

第5回会議では、「情報収集から情報提供・広報」まで、災害時における情報管理の全体像を整理するとともに、各段階における課題や対策を検討。被災した市町村においては、被災住民や全国の関係者に適宜・適切な情報発信、広報活動を行っていくことが重要であることから、被災市町村の広報に関する経験や教訓を整理し、対策本部の情報発信や、広報活動の充実につながるような方策を議論した。

このうち、広報対応については、迅速かつ正確な情報提供を行う仕組みが不十分で、情報の齟齬(そご)が生じたり、取材対応に係るルール不足により災害対応業務へ支障をきたすケースがあることが課題とされた。
対策として、記者会見の定期的な実施や、被害状況の迅速かつ計画的な公表、広報専任者の配置・強化、報道機関への対応ルールの明確化、住民問い合わせ対応窓口の設置などに取り組むことを提言している。また、平時から、広報専任者がメディアトレーニングを行うことや、国・県・市町村の広報担当者間で意思統一ができる基本的なマニュアルを作成しておくことなども盛り込んだ。