2013/01/30
防災・危機管理ニュース
「経済と環境の弾力性」「デジタル・ワイルドファイヤー」「健康問題と人間の思い上がり」を指摘
世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2013年版」がこのほど発表された。今後10年間にわたり、世界経済に影響をおよぼすグローバルリスクについて、産業界、政府、学会および市民社会を代表する1000人以上の有識者によるアンケート調査の回答に基づき、その発生確率と影響の大きさなどがまとめられている。
それによると、発生の可能性が最も高いリスクのトップ3は、昨年と同じく「極端な所得格差」「長期間にわたる財政の不均衡」「温室効果ガス排出量の増大」だった。4位には昨年5位だった「水供給危機」が繰り上がり、5位には過去6年で初めて「高齢化への対応の失敗」がランクインした。
一方、実際に発生すれば最も大きいインパクトをもたらす可能性のあるリスクについても、1位・2位は昨年と変わらず「大規模でシステミック(連鎖的)な金融危機」「水供給危機」。3位・4位は昨年と順位が入れ替わり、「長期間にわたる財政不均衡」「食糧不足危機」が続く。5位にはこちらも、過去6年間では無かった「大量破壊兵器の拡大」がランクインした。「長期間にわたる財政不均衡」と「水の供給危機」は、発生の可能性とインパクトの両方で上位5位に入った。
報告書では、これらの上位リスクとは別に「経済と環境の弾力性」「ハイパー接続世界でのデジタル・ワイルドファイヤー」「健康問題と人間の思い上がり」の3つのリスクについて、注意を促している。
経済と環境の弾力性は、世界の指導者たちの関心が直近の経済問題に集中している一方で、地球の環境システムに及ぼす負担は増加し続けているため、この2つの問題が同時に衝撃をもたらした場合、解決が非常に困難な事態に陥ることを指摘。経済システムと環境システムの弾力性を同時に構築する方法を模索すべきとしている。デジタル・ワイルドファイヤーは、ある情報が、正誤性に関わらず、あたかも山火事のように広がるという意味。ソーシャルメディアが普及する中、こうしたリスクを軽減するための責任感や判断力をつける方法があるのか検討すべきとしている。
健康問題と人間の思い上がりは、科学的発見や新技術による医学的な成功により、逆に安全について間違った感覚を持ってしまっているかもしれないということ。「人類の革新のペースは、最近の突然変異ペースにはもはや追いついていない可能性もある」と警笛を鳴らしている。
調査は、特定の国で発生する地震や洪水など、単一のリスクに焦点を当てたものではなく、経済、環境、地政学、社会、テクノロジーの5分野について、各リスクの集合体が今後どのように展開していく可能性が高いかについて、まとめられている。

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