リスク対策.com が行ったアンケート調査によると、「特定の災害など1つのリスを想定し、BCPを策定している」組織より、「特定の災害や事故などは想定せず、さまざまな経営資源が使えなくなった場合を想定してBCPを策定している」組織の方が、災害などの有事の際、BCPが期待通りに機能すると考えている傾向が明らかになった。調査は、「組織における風水害対策に関する調査」の一環として、7 月13 日から25日までリスク対策.com のメールマガジン購読者を対象にインターネット上で実施した。計208の有効回答を得た。

大半が複数災害想定型BCP

調査ではまず、どのようにリスクを想定してBCPを構築しているかについて質問した。回答は、1. 特定の災害など1つのリスクを想定しBCPを策定している(特定災害想定型BCP)、2. 複数の災害や事故などを想定しBCP を策定している(複数災害想定型BCP)、3. 特定の災害や事故などは想定せずさまざまな経営資源が使えなくなった場合を想定しBCP を策定している(リソースベース型BCP)、4. BCP は策定していない、5. 不明、6. その他、の選択肢から、最も当てはまるものを選んでもらった。結果は、1. 特定災害想定型BCP が9.1%、2. 複数災害想定型BCP が59.1%、3. リソースベース型BCPが14.4%で、複数災害想定型が半数以上を占めた【グラフ1】。

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噴火や取引先の停止にBCPは機能しない

次に、BCP の実効性について、①地震、②風水害、③パンデミック、④大規模火災、⑤サイバー攻撃、⑥近隣の火山噴火、⑦主要取引先の停止――のそれぞれのリスクに対し、本社や取引先、従業員が被災したり、事業が停止するような事態に見舞われた際、BCP がどの程度機能すると思うかを、「1. 全く機能しない~ 5. ほぼ計画通りに機能する」の5 段階で回答してもらった。

回答を得点化して平均点を算出したところ、最も平均点が高く、機能すると考えられているのが「地震災害」(平均点3.60)で、次いで「パンデミック」(3.54)、「風水害」(3.48)、「大規模火災」(3.13)、「サイバー攻撃」(3.01)、「主要取引先の停止」(2.77)、「近隣火山の噴火」(2.42)、の順となった【グラフ2】。火山噴火や取引先の停止については多くの企業が「BCP が十分機能しない」と考えている傾向が表れた。

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