2024/06/15
独自調査
最も対策ができていないのは「過去の降水量調査」
リスク対策.comはこのほど、企業の水害対策の取り組み状況を把握するとともに、BCPにおける課題を明らかにするため、豪雨災害を想定したシミュレーション型のアンケートを実施した。アンケートは、6月のある日、大雨が降りだし、線状降水帯なども発生して、回答者の所属する企業が被災する、というシナリオを、時系列にフェーズごと20の質問にして提示し、企業が各シナリオに対してどの程度備えているかを「1.全くしていない」~「5.かなりしっかりしている」の5段階で自己評価してもらった。リスク対策.comのメールマガジンの購読者および全国の経営層を対象にしたインターネット調査で計667件の有効回答を得た。
シナリオと質問は表1の通り。質問1では、「6月〇日の天気予報によると、今週から本格的な梅雨入りが予想されます。あなたの組織では、ハザードマップなどを確認して、自社施設の浸水リスクを把握していますか?」、質問2では「天気予報によると、御社の施設がある〇〇地域では、これから数日間、大雨の危険性があるということです。あなたの組織では、日常的に気象情報を収集・監視する体制が整備されていますか?」、質問3では「ある社員から、『大雨時における会社の計画はあるのか』との質問がきました。あなたの組織では、大雨に備えた災害対応マニュアルを整備していますか?」と展開。最終的には質問19「今回の大雨により、自社施設の一部が浸水により被災しました。あなたの組織では、水害に対する保険加入の状況や補償範囲を把握していますか?」、質問20「今回の大雨では、さまざまな課題が浮き彫りになりました。あなたの組織では、こうした災害の後、災害対応を振り返り課題を検証する機会を設けていますか?」と被災後の対応準備などまで質問に加えた。
表1:シナリオ型質問
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質問 |
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1 |
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