2024/06/08
防災・危機管理ニュース
6月8日、児童8人が犠牲となった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の殺傷事件は発生から23年、東京・秋葉原の歩行者天国で17人が無差別に殺傷された事件は発生から16年を迎えた。偶然とはいえ、同じ日に発生した凶悪事件は日本の安全神話を崩壊させた。その後も、東海道新幹線車内殺傷事件(2018年)、京都アニメ放火事件(2019年)、小田急無差別刺傷事件(2021年)、京王線刺傷事件(〃)、北新地大阪クリニック放火事件(〃)と、一般市民を巻き込んだ犯罪は後を絶たない。
池田小学校の殺傷事件は2001年6月8日に発生。当時37歳だった宅間守元死刑囚が刃物を持って校内に侵入し、1年生の男児1人と2年生の女児7人を殺害。児童と教諭計15人が重軽傷を負った。同校では事件を教訓に、教職員による不審者対応訓練などを継続的に実施している。
秋葉原の無差別殺傷事件は2008年6月8日に発生。加藤智大元死刑囚がJR秋葉原駅近くの歩行者天国の交差点にトラックで突入し、通行人をはねた。さらに、ナイフで無差別に刺すなどして7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。殺人罪などに問われた加藤元死刑囚は15年2月に最高裁で死刑が確定し、22年7月に刑が執行された。事件の背景には周囲への不満や深い孤独感があったとされ、社会を震撼(しんかん)させた。
こうした蛮行を社会全体で未然に防いでいくことが重要なことは言を俟たないが、一方で、事件が発生することを前提に、万が一の事態にどう身の安全を確保するのか、危機管理の教育そのものを見直していく必要があるかもしれない。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方