2018/09/04
防災・危機管理ニュース

リスク対策.comは9月27日、東京コンファレンスセンター・品川で「多様化への挑戦~あらゆる脅威にあらゆる担当者が立ち向かえる組織~」をテーマに危機管理カンファレンス2018を開催する。BCPや防災・リスク管理担当者を対象とする国内最大級の専門的カンファレンスで今年で6回目となる。
■危機管理カンファレンス2018
http://risk-conference.net/
地震や風水害への対策に加え、サイバーセキュリティや個人情報の保護、労働環境の改善、感染症対策、テロ対策など、企業のBCPやリスク管理への取り組みが多様化する一方、それらを担当するリスクマネジャーも、専属のリスク管理部門だけでなく、総務や人事、CSR、監査部門など多岐にわたり、全社一体的にリスクに立ち向かえる体制の構築が求められている。
こうした動向は国内に限ったことではない。組織の災害などへ備えとしてBCP教育を推進している非営利法人のDRI(Disaster Recovery Institute)が行った調査によると、世界のBCPマネジャーが懸念するリスクは、近年ITシステムに関連したものが上位を占めているが、世界的な自然災害の増加もあり、何らかの事象に伴う結果的なサプライチェーンの途絶など、多様化するリスクへ対応することを重視し始めているという。多様化するリスクに柔軟に対応するための適応能力を身につけるためにはどうしたらいいのか―。
1つの方策として、組織内外の連携が挙げられる。リスクマネジメント部門だけで把握できないリスクを専門家や現場部門の知見を交えて、会社全体を見る俯瞰の目線と現場の目線、さらに時間経過によるリスクの変化をとらえながら、管理していくことが求められる。リスクマネジャーの教育や、さまざまなソリューションサービスも重要になる。
カンファレンスでは、こうしたリスク管理やBCPの手法、役立つ商品を、専門的知見や現場の取り組みを通じて紹介していく。基調講演では、DRI International会長のChloe Demrovskyが登壇するほか、3会場に分かれ全16セッションによる講演を予定している。主なテーマと登壇者は以下の通り。
●世界のBCP担当者の悩みと2020年も見据えた日本企業への提言
DRI International/Chloe Demrovsky
●大規模イベントに向けた企業のリスク対策を考える
インターネットイニシアティブ/三膳孝通氏、ヤフー/高 元伸氏、佐川急便/内田浩幸氏、ニュートン・コンサルティング/副島一也氏
●非常時に強い組織づくりのポイントとは
インフォコム/髙橋克彦氏、
●石油・天然ガス開発におけるリスクとその対応
国際石油開発帝石/久保 孝氏
●ICTとBCPの領域横断と働き方改革への挑戦
パナソニック/青江多恵子氏
●学校や病院のリスクマネジメントから学べること
慶応義塾大学/大林厚臣氏
●危機管理人材の養成で組織にブレークスルーを!
NTTラーニングシステムズ/木村正清氏
●機能するERMベンチマークとERM評価手法
ニュートン・コンサルティング/坂口貴紀氏
●鉄骨造の旧耐震工場に対する在来手法に拘らない最適な地震対策の実現
豊田自動織機/川嶋伊久雄氏、構造計画研究所/梁川幸盛氏
●本気で女性目線を取り入れる!全従業員への危機管理意識の植え付け作戦
千代田化工建設/渡辺洋子氏
●「ハード整備から演習へ」輸液を止めない事業継続への挑戦
大塚製薬工場/住吉佳奈氏
●新時代のネットレピュテーションリスク対策
ソルナ/大月美里氏
●小型無線機「ハザードトーク」を利用した災害時の音声・画像での関係者共有
テレネット/青山利之氏
●企業の防災力を飛躍的に高める新アイテム紹介!
株式会社カワハラ技研/野奈々子氏、TIS株式会社/林 伸哉氏、株式会社シアンス・アール/宮津一昌氏、株式会社日立ケーイーシステムズ/上野 孝氏
●西日本豪雨における広島県ボランティアの現状と防災に関する「黄金の国ジパング構想」
NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
参加費は無料で、定員1000人(残り席わずか)。申し込みは下記URLより。
http://risk-conference.net/
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
-
三協立山が挑む 競争力を固守するためのBCP
2024年元日に発生した能登半島地震で被災した三協立山株式会社。同社は富山県内に多数の生産拠点を集中させる一方、販売網は全国に広がっており、製品の供給遅れは取引先との信頼関係に影響しかねない構造にあった。震災の経験を通じて、同社では、復旧のスピードと、技術者の必要性を認識。現在、被災時の目標復旧時間の目安を1カ月と設定するとともに、取引先が被災しても、即座に必要な技術者を派遣できる体制づくりを進めている。
2025/08/11
-
アイシン軽金属が能登半島地震で得た教訓と、グループ全体への実装プロセス
2024年1月1日に発生した能登半島地震で、震度5強の揺れに見舞われた自動車用アルミ部品メーカー・アイシン軽金属(富山県射水市)。同社は、大手自動車部品メーカーである「アイシングループ」の一員として、これまでグループ全体で培ってきた震災経験と教訓を災害対策に生かし、防災・事業継続の両面で体制強化を進めてきた。能登半島地震の被災を経て、現在、同社はどのような新たな取り組みを展開しているのか――。
2025/08/11
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方