連載・コラム
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グローバル大企業における最近の巨額な損害事例
以前は、サイバー攻撃の標的といえば個人情報を大量に保有する企業が中心でしたが、最近ではランサムウェア(身代金脅迫マルウェア)を無差別に送りつけるような、業種を問わない「非標的型」のサイバー攻撃が増えています。2017年5-6月に世界中に被害が拡大したWannaCryやNotPetyaと呼ばれたランサムウェアによる攻撃では、世界最大手の海運会社や、世界的にも有名な巨大メーカー等で、オペレーションシステムの障害等による事業中断で、数百億円規模の損害が発生したことが報告されました。 本連載では、最近発生したサイバー攻撃で、グローバル大企業がどのような経緯・原因で被害を受けたのかをご紹介し、同様の事故を防ぐための対策のポイントや、サイバー攻撃による損害を補償する「サイバー保険」の世界的な動向(保険マーケットの変化や購買動向など)を解説していきます。
2019/07/23
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第1回 災害時に水洗トイレは使えなくなる?
皆さん、水洗トイレの仕組みを考えたことがありますか? 私たちの暮らしの根幹を支えているライフラインの1つが「水洗トイレ」です。日々、目にするのは便器部分のみなので、水洗トイレとは便器である、なんて思ってしまいますよね。しかも、ボタンを押すだけで大小便を目の前から流し去ってくれるので、まるで魔法の器です。 ですが、そんな魔法は存在しません。当然ですよね。 水洗トイレの機能を確保するためには、洗浄水を確保するための給水設備、大小便を運ぶための排水設備、そして適切に処理するための下水道施設や浄化槽が必要です。また、これらの設備や施設を稼働するための電力設備も必要です。 つまり、水洗トイレはシステムとして理解する必要があります。もっと言うと、水洗トイレは大小便を水を用いて運び、適切に処理するシステムなのです。
2019/07/22
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国内でも増加するデング熱、デング出血熱
ネッタイシマカとヒトスジシマカ(図1)という人の住環境に生息するヤブカ属の蚊によって媒介されるデングウイルスによる感染病がデング熱とデング出血熱です。感染症新法では4類感染症に分類され、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る義務があります。デングウイルスの感染サイクルは、蚊と人の間でのみ形成されています。近縁のウイルスに日本脳炎ウイルスがあるのですが、人と蚊の間に豚というウイルスの増幅動物が介在する日本脳炎ウイルスとは違う感染サイクルをとっています。2014年8月に東京代々木公園で感染したと考えられるデング熱の発生が突然起き、他の公園でも発生が続き、大きな騒ぎになったことが思い出されます。
2019/07/17
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災害時の主役?「栄養補助食品」
今日、まだ食べられる食料の廃棄が増え続け、問題になっていますが、いったん災害に遭うと食料が大幅に不足します。過去の災害を振り返ってみましょう。阪神・淡路大震災、東日本大震災での避難所の食事は、主食の確保がやっとで副食にまで手が回らない。いわゆる「おにぎり」と「菓子パン」と「乾パン」ずくめで情けないものでした。関東大震災の記録を見ると、「おにぎりの分配」は今よりはるかに計画的で気が利いていました。しかし、おかずが「ない」という点では今も昔も同じです。粗末な食べ物で5大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミン)は不足状態。特にビタミン、ミネラルが大幅に不足していました。栄養摂取のバランスが欠け、体調を崩し健康維持が難しい状況でした。 そこで、熊本地震では、政府は支援の方法をプッシュ型に切り替え、同時に支援内容を充実させました。それは画期的で「栄養補助食品」という新顔が14万個も参入していました。 災害時には栄養が摂りにくいこと、それを栄養補助食品の助けを借りて補おうとしている政府の意図が読み取れます。本日はこの「栄養補助食品」ついて述べたいと思います。
2019/07/16
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アマゾンのスピードを支える安全文化
アマゾンと安全? おそらく今この表題を見た方は大きな違和感を覚えているかもしれません。あのインターネット企業の雄として、先進的なサービスを次から次へと導入し、人々の生活を劇的に変貌させてきたアマゾンが、安全とどう結びつくのか? そんな感想を皆さんは抱いていることでしょう。確かに表面上のアマゾンは、インターネット企業として、そのテクノロジーでさまざまなサービスを提供する会社ですから、「安全」といわれても簡単にイメージするのは難しいと思います。しかし実はアマゾンと安全は切っても切り離せない関係にあり、日々の運営に安全が非常に強く結びついているのです。
2019/07/10
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