2025/03/06
防災・危機管理ニュース
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は5日、企業がサステナビリティに関するリスクや機会を財務情報と一体で開示するための新たな指針として、3つのサステナビリティ開示基準を公表した。2024年3月に示した素案への意見を踏まえ、国際基準との整合性や国内企業の実務上の負担などを考慮した。気候変動への取り組みやガバナンス体制などの開示が一段と充実することで、投資家や取引先を含むステークホルダーに対する情報提供の水準を引き上げる狙いだ。これを受け、金融庁では2027年3月期以降、時価総額3兆円以上の大企業に対して、サステナビリティー関連情報の開示を義務付ける。70社程度が対象になる見通しで、翌年度以降、対象企業を拡大していく。
今回公表されたのは「サステナビリティ開示ユニバーサル基準(サステナビリティ開示基準の適用)」「サステナビリティ開示テーマ別基準第1号(一般開示基準)」「同第2号(気候関連開示基準)」の3つ。ユニバーサル基準では、開示対象となるリスク・機会の識別や「重要性(マテリアリティ)」判断の考え方など、サステナビリティ関連情報を財務報告と結び付けるための基本的な枠組みを示した。一般開示基準はガバナンスやリスク管理など、すべての企業に共通するコア項目を定め、各業種・領域で検討すべき具体的なテーマとの重複を防ぐ役割を担う。気候関連開示基準は温室効果ガス排出量やシナリオ分析を含めた気候変動対応に焦点を当てる内容となっている。
SSBJは、2021年の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立を受け、日本に適用されるサステナビリティ開示基準の開発および国際的なサステナビリティ開示基準の開発への貢献を目的として2022年7月に設立された。国内におけるサステナビリティ開示基準の開発にあたり、基準を適用した結果として開示される情報が国際的な比較可能性を大きく損なわせないものとなるようにするため、その基本的な方針として、ISSBのIFRSサステナビリティ開示基準との整合性を図ることを基礎とし、議論を重ねてきた。
【詳細】
https://www.ssb-j.jp/jp/ssbj_standards/2025-0305.html
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方