【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、何者かが人工知能(AI)を使ってルビオ国務長官の声に似せたボイスメッセージを作成し、通信アプリで送りつけて各国の外相や米議員らとの接触を試みていたと報じた。機密情報の窃取が目的とみられるが、実行者の詳細は不明という。
 米国務省のブルース報道官は8日の記者会見で報道を認めた上で、問題に対処していると説明。「国務省は情報保護の責任を重く受け止め、将来の事故防止に向け、サイバーセキュリティーの改善措置を継続的に講じている」と強調した。
 同紙が入手した外交公電によると、ルビオ氏に成り済ましたアカウントが6月中旬ごろに通信アプリ「シグナル」上で作成され、テキストやボイスメッセージの送付を開始。少なくとも3人の外相のほか、米国の知事や議員が接触の対象となったという。どの国の外相だったかや被害状況については明らかにされていない。 
〔写真説明〕ルビオ米国務長官=7日、ワシントン(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)