2025/03/30
防災・危機管理ニュース
環境省は、生物多様性を保全する活動が行われている区域「自然共生サイト」について、この取り組みに貢献する企業への証明書発行の手続きを8月にも本格的に始める。企業による支援策としては、寄付や、外来種駆除の人材派遣などの内容を想定、環境への配慮を企業に促す。証明書の発行を受ければ、国の「お墨付き」を得たことになり、企業のブランド価値向上や、投資家にアピールできるメリットがあるという。
自然共生サイトは、民間や自治体、教育機関によって保全の取り組みが行われている区域を指し、環境省が認定してきた。4月に施行される生物多様性増進活動促進法では、この仕組みを法制化。希少動植物の保護や荒廃地の再生に向けた活動などを国が認定する制度となる。
証明書を発行する事業は、企業林などのように、自然共生サイトとなる土地を自社で所有・管理していなくても、生物多様性の保全活動に貢献できるようにするものだ。証明書を希望する企業は、保全活動に対して行った支援の内容や期間などを申請し、審査を経て、発行が受けられる。法律に基づく保全活動の認定制度がスタートした後、8月にも証明書発行の受け付けを正式に始める。
2024年度の試行では、北海道大学キャンパスでの特定外来生物「アライグマ」の捕獲活動に寄付をした北洋銀行などに、証明書が発行された。
生物多様性を巡っては、30年までに陸域と海域の30%以上を保全する「30by30」の世界目標が採択されている。環境省は、増進活動促進法や証明書発行事業も活用して、保全区域の拡大につなげる。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 自然共生サイト
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方