2025/03/30
防災・危機管理ニュース
ラピダスの小池淳義社長は時事通信のインタビューに応じ、先端半導体の国産化を「生死を懸けた一大事業」と位置付けた上で、「中途半端(な金額)では必ず失敗する」と、巨額投資の必要性を訴えた。
ラピダスは2027年の量産開始に向け、5兆円規模の資金が必要とされている。政府は既に最大9200億円の支援を決定。来年度には1000億円程度出資する方針を示している。
多額の国費投入を疑問視する声に対し、小池氏は競争の激しい半導体分野では「投資をしなければ絶対に成功しない」と力説。現状73億円にとどまる民間企業からの出資は、1000億円相当を確保する考えを示し、「ある程度のめどが立ってきた」と語った。
ラピダスは4月、回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の試作ラインを北海道千歳市の工場で稼働させる。小池氏は「顧客に届けるスピードの速さが最大の強みだ」と指摘。今後、新工場建設に向け、新規株式公開を通じて資金を調達する考えも示した。
課題とされる顧客開拓に関しては、「米国へ行くたびに(ラピダスに対する)期待が高まっていると感じる」と話し、人工知能(AI)向け半導体の需要の伸びを強調。従業員の意欲向上のため、一定の価格で自社株を購入できるストックオプションの付与を将来的に検討していることも明らかにした。
〔写真説明〕インタビューに答えるラピダスの小池淳義社長=21日、東京都千代田区
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 半導体
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方