2025/04/24
防災・危機管理ニュース
自動車の油圧緩衝器などの部品製造に必要な金型を下請け業者に無償保管させていたとして、公正取引委員会は24日、下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)で、東証プライム上場の油圧機器大手「カヤバ」(東京都港区)に再発防止などを勧告した。
公取委は2023年3月以降、金型などの無償保管を巡って大手企業などに相次いで勧告しており、今回で15件目となる。
公取委によると、カヤバは遅くとも23年4月以降、下請け167業者に対して長期間発注しないにもかかわらず、5756点の品番に相当する油圧緩衝器の金型などを無償で保管させていた。
下請け業者から請求がなければ保管費用を支払っておらず、一番重い金型は4トン以上、最も古いものは1968年から下請け業者に保管させていた。
今回初めて金型などの所有権が下請け業者に移っていたケースも違反と認定された。カヤバは保管状況を台帳で管理し、年に1度確認しており、下請け業者が廃棄するにはカヤバの許可が必要だった。下請法では、所有権にかかわらず、1日でも無償保管させた場合は違反になる。
カヤバは勧告を受け、「コンプライアンス(法令順守)の一層の強化と再発防止に努めていく」とコメント。下請け業者には適切な保管費用を支払うとしている。
〔写真説明〕公正取引委員会=東京都千代田区
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 下請法
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
カムチャツカ半島地震 津波対応振り返り【企業】
7月30日、ロシア・カムチャツカ半島付近の地震による津波が日本列島に到達。広い範囲で津波警報が発表されました。突然の警報に戸惑った企業も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震では、短時間でより大きな津波が襲います。教訓として残ったものは何か。企業の振り返りと専門家へのインタビューを通じ、津波対策の課題と改善点を探ります。
2025/09/19
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方