【リヤド時事】トランプ米大統領は14日、訪問先のサウジアラビアの首都リヤドで、シリアのシャラア暫定大統領と面会した。米国とシリアの首脳による接触は、2000年3月にクリントン大統領(当時)とハフェズ・アサド大統領(同)の会談以来で25年ぶり。ホワイトハウスによれば、トランプ氏はシャラア氏に「極めて歴史的なことを行う好機だ」と述べ、対立するイスラエルとの和解を促した。
 トランプ氏は13日の演説で対シリア制裁解除を指示すると表明しており、今後の関係修復などを巡り意見を交わしたとみられる。トランプ氏は面会後、シャラア氏の印象について「若く魅力的でタフな男だ」と語った。
 米当局者によると、トランプ氏はシャラア氏に対し、イスラエルとアラブ諸国が国交を正常化する「アブラハム合意」にシリアも加わるよう要請。「全ての外国人テロリスト」の出国を促し、過激派組織「イスラム国」(IS)の復活阻止で米国に協力するよう求めた。
 一方、シャラア氏は、シリアでイランの影響力が低下していると説明した上で、自国内にある化学兵器を廃棄することに前向きな考えを示した。石油・ガス分野における米企業の投資を訴えた。
 トランプ氏とシャラア氏は握手を交わし、サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子らも同席した。 
〔写真説明〕14日、サウジアラビアの首都リヤドで、シリアのシャラア暫定大統領(左)と握手するトランプ米大統領(中央)(サウジ王室提供)(AFP時事)
〔写真説明〕トランプ米大統領(右)とシリアのシャラア暫定大統領(EPA時事)
〔写真説明〕14日、サウジアラビアの首都リヤドで写真撮影に応じる(左から)トランプ米大統領、サウジのムハンマド皇太子、シリアのシャラア暫定大統領(国営シリア・アラブ通信提供)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)