【ニューデリー時事】インドが「対テロ」を名目にパキスタン領内を攻撃してから14日で1週間がたった。軍事衝突4日目に両国が停戦に合意するまで、実戦経験の乏しかった戦闘機が投入され、さながら兵器見本市の様相を呈した。供給元からそれぞれの盟友関係も浮かび上がった。
 今回の衝突でひときわ注目を集めたのは、パキスタン軍が運用する中国製戦闘機「殲10C(J10C)」。同機は初めて実戦に投入されたとみられる。インド軍のフランス製戦闘機「ラファール」を撃墜したとのパキスタン側発表を受け、殲10Cの製造企業の株価が上昇した。これ以外にもドローンを用いて相手領土への侵入や攻撃が目立った。
 パキスタン軍はインド北部や西部の国境地帯全域で「約300~400機のドローン」(インド軍)が侵入を試みた。機体はトルコ製「ソンガル」という。イスラム教国のパキスタンとトルコは伝統的な友好関係を持ち、近年軍事協力も強化してきた。印パが互いに領有権を主張し、長年の対立の要因となってきたカシミール地方を巡る問題でもトルコはパキスタンの立場を擁護している。
 これに対し、インド軍はイスラエル製ドローン「ハロップ」をパキスタン領内に多数送り込み、防空システムなどに攻撃を加えた。
 2014年のモディ政権発足以降、インドは軍事やハイテク分野でイスラエルとの協力を推進してきた。イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘でもイスラエルを支持。イスラム過激派による「テロの被害者」として連帯を示している。
 報道によると、インドとロシアが共同開発した超音速巡航ミサイル「ブラモス」も使用された可能性が高い。インドのシン国防相は停戦発効後の11日、北部ラクノーに建設されたブラモス発射試験センターの開所式にオンラインで参加。同ミサイルは敵国に対する抑止力や国境防衛への決意を示すメッセージであり、「インドとロシアの防衛技術の最高レベルの融合だ」と述べた。 

(ニュース提供元:時事通信社)